テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
【ジェル】「一人で考えるために、
部屋案内したほうがええんちゃう?」
【ななもり】「確かにね。あっきぃくん?こっちだよ」
廊下の電気は、少しだけ暗め。
足音が、やけに響く。一番奥のドアが開く。
【ななもり】「今、使ってない部屋はここだよ」
小さな机と、布団。
何かはわからないけど、落ち着くいい匂い。
【ななもり】「今日は、ここ使っていいからね」
【あっきぃ】「……ありがとうございます」
ドアが閉まって、一人になる。
あっきぃ(……静かだな)
荷物をおろして、床に座り込む。
【あっきぃ】「……一緒に、住む」
声に出すと、現実味が増す。
頭に浮かぶのは、家のリビング。
朝の空気。
兄たちの視線。
【あっきぃ】「……帰ったら、
…また、同じだ」
言葉が止まる。
でも、ここにいたら——
知らない人たち。
優しい距離。
「選んでいい」って言葉。
【あっきぃ】「……逃げ、かな」
【あっきぃ】「……でも」
布団に手を置く。
逃げ場がない場所に、戻ることが正解なのか。
ドアの外から、声がする。
【ころん】「……起きてる?」
【あっきぃ】「……うん」
【ころん】「無理しなくていいからね」
【あっきぃ】「……うん」
足音が、遠ざかる。
あっきぃ(……決めなきゃ)
スマホを見る。
兄弟の連絡は、ない。
【あっきぃ】「……探されても、ないんだ」
胸が、少しだけ痛む。
でも、驚くほど落ち着いてる。
あっきぃ(ここにいたら)
怒鳴られない。無視されない。
**“いていい”**って言われる。
それだけ。それだけで、
喉が熱くなる。
布団の上で、背中を丸める。
【あっきぃ】「……一緒に、住みたい」
小さい声。 でも、はっきりした。
あっきぃ(戻る場所は、もう一つある)
俺はドアを、そっと開ける。
リビングの明かり。みんな、起きてた。
全員が、こっちを見る。
【あっきぃ】「……あの」
【ななもり】「うん」
【あっきぃ】「……考えました」
一度、息を吸う。
【あっきぃ】「一緒に……住ませてくだ、さい」
一瞬、静かになる。
【さとみ】「……そっか」
【ジェル】「決めたんやな」
【るぅと】「……ありがとうございます、じゃないですね」
【莉犬】「来てくれて、ありがとう」
【ころん】「……よく言えたね」
胸が、ぎゅっとなる。
【あっきぃ】「…でも、…条件が、あります」
初めて、自分から言う。
【ななもり】「なんでも聞くよ」
【あっきぃ】「……無理な日は無理って、
言っていいですか」
【ななもり】「もちろん!」
【さとみ】「当たり前だろ」
【ジェル】「言わん方が困るわ」
【るぅと】「休むのも、生活です」
【ころん】「僕も言うし」
【莉犬】「一緒だよ!」
俺は、深く頭を下げた。
【あっきぃ】「……これから、お願いします」
あっきぃ(……選んだ……ここで、生きる)
その夜、布団に入る。
【あっきぃ】「……おやすみなさい」
【ころん】「おやすみ」
誰かが、小さく返す。
天井を見ながら、思う。
……明日が、怖くない
それが、初めてだった。