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飴ちゃん
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休日の朝。
ころんくんの家の玄関で、靴を履く。
【ころん】「大丈夫?」
【あっきぃ】「……うん」
【莉犬】「無理そうだったら、すぐ戻ろ」
その一言で、少し息が楽になる。
あっきぃ(…一人じゃない)
家の前に着いた瞬間、胸がきゅっと縮んだ。
見慣れた外壁。 いつもの玄関。
鍵は、開いていた。
【あっきぃ】「……ただいま」
【ころん】「僕達は玄関で待ってるよ(小声」
【莉犬】「無理に話さなくていいからね(小声」
玄関には見慣れたいつもの靴が5足。
中に入ると、リビングに全員いた。
【あっと】「……帰ってきたのか」
【けちゃ】「結局、戻るんだ」
【まぜ太】「は?」
【ぷりっつ】「……」
【ちぐさ】「……」
空気が、重い。
【あっきぃ】「……荷物、取りに来ただけ」
その瞬間、空気が変わる。
【あっと】「は?」
【けちゃ】「どういう意味」
【あっきぃ】「……しばらく、別のとこで暮らす」
言葉にすると、震えそうになる。
【まぜ太】「ふざけてんの?」
【あっと】「戻れ。勝手なことすんな」
【あっきぃ】「……勝手じゃない。
俺、決めたから」
初めて、はっきり言った。
階段を上がろうとすると、呼び止められた。
【ぷりっつ】「……あっきぃ」
振り返る。ぷり兄だ。
後ろにちぐちゃんもいる。
【ぷりっつ】「……戻ってこい」
その声に、胸が揺れた。
【あっきぃ】「……ごめん」
【ぷりっつ】「俺が、ちゃんと——」
【あっきぃ】「違う」
言葉を遮る。
【あっきぃ】「誰かが変わるの、待てない」
静まり返る。
【ちぐさ】「……あき兄」
【あっきぃ】「…なに」
【ちぐさ】「……いなくなるの?」
【あっきぃ】「……いなくならない。ただ、
ここに住まないだけ」
ちぐちゃんは、何も言わなかった。
俺は階段を上がった。
俺の部屋に入る。
必要なものだけ、リュックに詰める。
着替え。小さなノート。
あっきぃ(……これだけでいい)
最後に部屋を見回す。心残りはほとんどない。
階段を降りる。
【あっと】「なあ」
【あっきぃ】「……なに」
【あっと】「戻ってこい」
同じ言葉。
でも、前とは違って聞こえた。
【あっきぃ】「……今は、無理」
【あっと】「家族だろ」
【あっきぃ】「……だから」
一度、息を吸う。
【あっきぃ】「壊れない距離、選ぶ」
言い終わったあと、手が少し震えた。
玄関では、ころんくんと莉犬くんが静かに待っていた。
【ころん】「おかえり」
【莉犬】「忘れ物ない?大丈夫?」
【あっきぃ】「…うん、大丈夫」
玄関で靴を履いてると、後ろに気配を感じた。
【けちゃ】「……逃げるなよ」
【あっきぃ】「…逃げじゃない。生き方だよ」
ころんくんが、一歩前に出る。
【ころん】「行こ」
【莉犬】「うん」
ドアの前で、一度だけ振り返る。
【あっきぃ】「……また、話せる日が来たら」
【あっきぃ】「そのときは、ちゃんと来て話す」
返事は、誰からもなかった。
外に出る。
空が、思ったより明るい。
【あっきぃ】「……怖かった」
【ころん】「言えたじゃん」
【莉犬】「十分」
歩き出す。
リュックの重さが、さっきより軽く感じた。
あっきぃ(……戻らなかった
……選び続ける)
それが、今の答えだった。