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9月5日
東ドイツさんが兄上の絵を見ていった。
「すごい…僕もこんな絵描いてみたいな、」
初めてのお願いだった。
兄上は石板に絵を描いていたけど、東ドイツさんのためにみんなでかき集めて、
鉛筆と紙をあげた。たのしかった。
9月6日
大人は戦争は終わったって言うけど、まだ終わっていないと思う。
戦っている人は世界に沢山いるよねって。
9月7日
大人が外へ連れていってくれた
少しやけた小麦畑。
それでも綺麗だったから、みんなで絵を描いた。
本当に戦争は終わったんだ。
兄上が言った。
「日本は負けたんだ。爆弾もミサイルも空襲も、これで全部終わりだよ。」
泣きながら教えてくれたから、つられてわたしも泣いた。
9月8日
秋になった。
少し寒くなってきた。
9月になって少したったから、そう言って、
イギリスさんが言葉の本と、書き物、読み物を持ってきた。
兄上はやっていた。私は読み物を読んでいた。
東ドイツさんと西ドイツさんは、数の本を読んでいた。
イタリアさんは、言葉の本の中身を日記に移していた。
9月9日
西ドイツさんが泣いていた。
何故かと聞くと、こう返ってきた。
「ヒロシマに居た友達が死んだって。」
相変わらずよそよそしかったけど、感情を前に出さず、抑えてわたしが泣くのを心配しているようにも感じた。
「ピカドン…原子爆弾、って言うんだって。」
そう言っていた。
何も言えなかった。
9月10日
アメリカさんたちが話していた。
私たちの父様をどうするか、ということ。
こんな事だった。
🇬🇧「さて…と。日帝さんはどうしますかね…」
🇹🇼「うーん、遺体は持ち帰ったけどね〜」
⚒️「火葬するー?」
🇺🇸「お前にしてはまともじゃねえか」
🇬🇧「どうせお供えと言って自分用の酒を買う為ですよ。」
🇹🇼「ちょっと?!」
🇺🇸「まっ、とりあえず子供達にはこれは聞かれないようにしなきゃな☆」
⚒️「酒飲んでくる〜」
🇬🇧「声がでかい!聞こえますよ馬鹿者」
🇺🇸「まじ?!酷くない?!」
🇹🇼「まあまあイギ…普段から声でかいんだし…」
🇺🇸「それ慰めになってないぞ?!」
⚒️「酒飲んできた〜」
🇬🇧「そもそも慰めてないからですよ。」
🇺🇸「酷いぞ?!」
兄上は怒っていた
静かに怒っていた。
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