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刻の碧律

50 - 第37話「裏切りの碧族」

2025年03月20日

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第37話「裏切りの碧族」



🚀 シーン1:対峙する者たち


冷たい夜風が戦場を吹き抜ける。


ゼインは銃型フラクタルを構えたまま、目の前の男を睨みつけた。

黒いマントを纏い、鋭い眼光を放つ男——その瞳には確かに碧素の輝きが宿っていた。


「……お前、ヴェール・バインドに所属している碧族か?」


ゼインの問いに、男は微かに笑みを浮かべた。


「その通り。俺の名はカイゼル。ヴェール・バインドの特殊戦闘部隊“ナイトブレード”の一員だ」


ナヴィスが青い瞳を細めながら肩をすくめる。


「へぇ……“ナイトブレード”ねぇ。自分を人間側に売るとは、どんな気分だ?」


カイゼルは淡々と答える。


「俺は売ったわけじゃない。俺の信念に従っただけだ」


ゼインは静かに息を吐いた。


「……戦う理由は後で聞く。まずは、力を見せてもらおうか」


カイゼルはゆっくりと片手を上げると、漆黒のフラクタルエネルギーが彼の手元に収束した。


「面白い。お前がどれほどのものか、試させてもらうぞ」




🚀 シーン2:一瞬の激突


次の瞬間——


『EXECUTE (SHADOW_DASH)』


カイゼルの姿が消えた。


「速い!」


ゼインが反応するよりも早く、カイゼルはゼインの懐に潜り込み、鋭い蹴りを叩き込む!


ドガァッ!!


ゼインの体が吹き飛び、地面に激しく転がった。


「チッ……!」


ゼインはすぐに体勢を立て直す。


ナヴィスが前に出ようとしたが、カイゼルは鋭い視線を送る。


「お前らが二人がかりで来るなら、こっちも本気を出すぞ?」


ナヴィスは苦笑し、黒髪をかき上げた。


「へぇ、やる気じゃねぇか」


ゼインは拳を握ると、碧色のフラクタルが腕に収束した。


「ナヴィス、手を出すな。こいつは……俺がやる」


ナヴィスは驚いたように目を見開いたが、すぐに笑う。


「お前、戦いが楽しくなってきてるんじゃねぇの?」


ゼインは目を伏せ、ゆっくりと前に進む。


「……どうだろうな」




🚀 シーン3:碧族対碧族の戦闘


「来い、ゼイン」


カイゼルが手を構える。


ゼインは低く身を沈めると、瞬時にフラクタルを発動した。


『EXECUTE (IMPACT_STRIKE +75)』


碧色の閃光がゼインの拳から放たれ、カイゼルへと突き進む!


カイゼルも即座に反応する。


『EXECUTE (DARK_COUNTER)』


黒いエネルギーがカイゼルの腕を覆い、ゼインの拳と衝突した!


バァァンッ!!


激しい衝撃波が発生し、周囲の地面が砕け散る。


「やるな……」


カイゼルがわずかに驚いた表情を見せる。


ゼインは冷静に距離を取りながら、次の手を考える。


「こいつ……攻撃を相殺するフラクタルを使ってやがる」


カイゼルは微笑む。


「正解だ。そして、俺のフラクタルはそれだけじゃない」


『EXECUTE (SHADOW_BIND)』


次の瞬間、ゼインの足元から黒い影の鎖が伸び上がり、彼の動きを封じた!


「チッ……!」


ゼインがもがく間に、カイゼルが一気に間合いを詰める。


「終わりだ!」


カイゼルの拳がゼインの腹部へと突き刺さる——


その瞬間、ゼインの瞳が鋭く光った。

『EXECUTE (OVERRIDE)


カイゼルのフラクタルコードが一瞬、強制的に書き換えられる。


「なっ……!」


影の鎖が一瞬だけ緩み、ゼインは即座に反撃に転じた。


「まだ終わらねぇよ!!」


ゼインの拳がカイゼルの頬を撃ち抜く。


ドゴォッ!!


カイゼルの体が宙を舞い、数メートル先へと吹き飛ばされた。




🚀 シーン4:戦いの行方


カイゼルは地面に転がりながら、ゆっくりと起き上がった。


口元の血を拭いながら、ゼインを見つめる。


「……なるほど、噂通りの力だな」


ゼインは荒い息をつきながら、カイゼルを睨みつける。


「お前の狙いはなんだ? なんでヴェール・バインドなんかに協力してる?」


カイゼルは静かに立ち上がり、ジャケットの裾を払った。


「……それを知る必要はない」


次の瞬間、彼の体が闇に溶けるように消え始めた。


「……!」


ナヴィスが反応するが、止める間もなくカイゼルは完全に姿を消した。


「クソッ……逃げられたか」


ゼインは拳を握り締めた。


「奴が何者なのか、必ず突き止める」


ナヴィスは微かに笑い、ゼインの肩を叩いた。


「ま、また会うだろうさ」


夜明けの光が、徐々に戦場を照らし始める。


ゼインは静かに、遠くの空を見上げた。

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