「トラゾー、肩揉んであげようか?」
「え?、いや…そんなに凝ってないと思うんですけど…」
遊びに来ていたクロノアさんが急にそんなことを言い出した。
「また執筆してるんでしょ?だったら、俺がマッサージしてあげるよ」
両肩を急に掴まれ揉まれる。
「ぅゃっ⁈」
「ほら、かなり凝ってるよ」
「そ…う、でもなっ…!」
痛くはない。
痛くないけど、絶妙な触り方に背中がぞわぞわするというか変な感じがする。
「肩凝りっていろんな体調不良引き起こしたりするからね」
「ひ、っ、ぃたッ…」
ぐっと揉まれて今度は痛さで強張った。
「力入れたら余計に痛いよ。……ほら、力抜いて?」
「わぁ…⁈」
クロノアさんの唇が当たるくらいの距離で囁かれる。
その声に力が抜けた。
「上手。…ほら、こことかすごい凝ってる」
「ぅあ゛!ちょっ…クロノアさん…⁈」
肩を掴む手を握って止めさせる。
「も、もう充分です…っ、それ以上は…!」
「……感じる?」
「!!?」
「なんちゃって」
振り向けば、悪い顔をしたクロノアさんが笑っていた。
「そこ横になれる?腰とかも押してあげる」
「え、い、いいですって!」
「俺がしてあげたいんだ。…ダメ?」
その残念そうな顔を見て、俺の手から力が抜ける。
「うぅ……その顔はずるいです…」
クロノアさんのこの顔で頼み事されたら断れるわけない。
渋々、ソファーにうつ伏せで寝そべった。
近くに置いていた膝掛けを腰の上に置かれて丁度いい力加減で腰を押されていく。
「ん、」
「痛くない?」
「痛くない、です。すごく気持ちいい…クロノアさん上手ですね…」
やめてもらおうかと思ったけど、これはしてもらって良かったかもしれない。
「……そう?」
「はい、寝そうです…」
「よかった」
ホントに寝てしまいそうなくらい気持ちいい。
「んン…、」
つい鼻から抜けたような声が漏れる。
「っ」
しまったと口を押さえた。
変な声を出してしまい気持ち悪がられたと腕に顔を埋める。
「……」
一瞬クロノアさんの動きが止まったけどすぐに背中や腰を押し始めたから、気にしてないのかよかったとホッと息を吐いた。
「ここはどう?」
「んッ…ちょっと、痛いです…っ」
「座りっぱなしだとね。筋トレとかしてても凝っちゃうんだ」
「ん、う…」
「寝そうなら寝てもいいよ。俺も適度なとこでやめるから」
「はぃ…」
うとうととしてきてそのまま意識が落ちた。
「ぅ…ん…?」
下半身に違和感を感じて目を覚ます。
「⁇」
体はうつ伏せのままだけど、何かおかしい。
「起きた?」
「ク、ロノアさん…?…ぇ、…っ⁈なッ⁈」
「トラゾーよっぽど疲れてたんだね?爆睡だったよ」
「ひっ⁈な、なにし、ひぁっ⁈」
下半身の違和感は下を脱がされて外気に触れていたことと、後ろをクロノアさんが触っていたせいだった。
「寝てるのに、すごい俺の指締めてたよ?…実は起きてた?」
「そッ、そんなわけ…!」
「じゃあ期待してたんだ」
「ゃぁあッ⁈」
感じたことのない感覚に腰が大きく跳ねた。
「ホントに初めて?」
「し、らな、やめてッ、くださぃい…っ!!」
ぐりっとナカを指で押されて目を見開く。
「っっ〜〜!!?」
「自分でしてた?それとも、他人に触らせた?」
「どっち、も、ぢぁゔ…!!」
「ふぅん?じゃあトラゾーに元々そういう素質があったのか」
腰を掴まれて高く上げられる。
「はは、コッチも先走りでドロドロだね」
「っ!!」
最近は忙しさのせいでそういうこともしてなかったから、与えられる快楽のせいで自身から先走りが垂れていた。
「み…な、いでくだ、さい…ッ」
「見るよ」
「ど、うして…っ!…どう、して…こんな、こと…」
「え?トラゾーが無防備に寝てて可愛かったから」
背後でゴソゴソと衣擦れの音がする。
「好きな人がそんな風に寝てたら悪戯心湧くに決まってるだろ?」
ナカからクロノアさんが指を抜き、代わりに比にならないくらい熱を持ったなにかが当てられた。
「ゃ、め…ッ」
それが何なのか、クロノアさんが何をしようとしてるのかを理解して抵抗しようとした。
「俺はやめるつもり毛頭ないから」
1番太いところが入ってしまう。
どうにかしようとしても体を押さえつけられてるせいでまともに抵抗できない。
「ひぅゔ…っ」
「トラゾーの気持ちいいとこも擦ってあげるから痛みなんてすぐ分からなくなるよ」
入ってきた先端で、ナカを擦られて抵抗しようとした身体から力が抜ける。
「ひぁぁあぁっ⁈」
「ココがトラゾーの気持ちいい場所だよ。きちんと覚えておいてね」
「やっ、ぁッ、ひ、んぁあ…ッ!」
揺すられて俺の身体も同じように揺れる。
「でも、もっと奥でも気持ち良くなれるよ?…だからココ開けて」
下腹部を押さえられて撫でられる。
「ぁ、!やめへ、ぇ…ぉさえちゃ、だめ…っ」
「中と外で刺激受けて感じちゃうから?…俺のが入ってるの意識するからかな?」
「ぃ゛、ゃあぁ」
腰を進められてクロノアさんの腸骨がお尻に当たる。
「根本まで咥え込んで…初めてのくせにトラゾーは淫乱だね」
「ちが、おれ、…ッ、いんら、んじゃ…なぃい…っ!」
「簡単に全部飲み込んでるくせに」
ぐっと腰が進められた。
「も゛う、はい、ッら、ないっ、やめて、くらっ、さ!、くろのあ、さん…ッ、ぃやだっ、ゃめ…!」
「やめない。嫌だって言ってるのに離さないのトラゾーだろ?気付いてないの?自分で腰動かしてるの」
「っ゛っ⁈ちがっ…!」
「嘘だよ、可愛いね」
ナカで大きくなるクロノアさんに1番奥に入られる。
「ゃぅ゛〜〜ッ⁈」
「あ入っちゃった」
チカチカと目の前に星が飛んでいる感覚に陥る。
頭をブン殴られるような、そんな衝撃に腰がへたり込んだ。
「、ア、ぇ…、?」
兎に角苦しくて痛い。
それなのに、頭も身体もその苦痛から逃れようと勝手に快楽に塗り替えようとしている。
「ぁ、…ぅ、や、ら゛…た、すけ、へ、だぇか…っ」
手を必死に伸ばしてどうにか逃げようとした。
「大丈夫、俺が助けてあげるから」
へたり込んだ腰を引かれ、伸ばした手はソファーの上でずるずると引きずられる。
「い゛、ゃ…くろのあ゛さ、ッ、やだっ…」
涙は止まらないしわけが分からなくて。
自分の口から出る声は自分の声じゃないみたいで。
「俺、トラゾーの声好きなんだよ。困惑してる時のちょっと上擦ったような声とか」
口の中にクロノアさんの指が突っ込まれて閉じようにもできなくなる。
「は、ぅ゛ッ、ゆび、ぬいへ、くらは…ッ!」
「噛んでもいいよ?」
「んッ、ゔぁあ…!」
「そっか、コッチは抜かなくていいんだ?」
耳に響く濡れた音にカッと顔に熱が集まる。
「そ、つも゛りりゃ…っ」
指を抜いて欲しかったのは、噛んでクロノアさんの手を傷付けたくなかったから。
クラリネットを演奏するこの人の綺麗な指を傷付けるわけにはいかないからで。
「ひッ、ぁ、んンンッ!!」
綺麗な音を奏でる指が、俺の、ナカを、触って、
その指で、音を、
そう意識した瞬間に、罪悪と優越という感じてはならない感情に襲われる。
「っ、ッ…急に締め付けて、どうしたの」
指を抜かれて飲み込めなかった唾液がだらりと口の端から垂れ、糸を引いていた。
「ぁ…ぁ…ッ」
無意識にクロノアさんの指を追っていたようでそれに気付いた彼が嗤った。
「……あぁ、へぇ?」
全て察した、と低く声を出したクロノアさんは口の中に指をまた入れてきて舌を摘んだ。
そして耳元で低く掠れた声で囁いた。
「もう、俺がクラリネット吹いてるの聴けないね?」
「っつぅ゛〜〜〜ッ!!」
「ッッ!、…イッた?しかも出さずに」
びくびくと身体が跳ね、その度にナカのクロノアさんのを小刻みに締め付けて。
「すげぇ痙攣。…トラゾー、俺も出していい?このナカに」
「ヒやッ、ら…なか、だ、ぇ…れっ、す…ッ」
「ダメなのにすごい吸い付いてんじゃん。身体のほうが素直だね」
出すことができないままイッた俺の先を爪でぐりぐりと触るクロノアさんは奥だけを突くようにして動いてきた。
「そ…れ、やぁあ゛…お、ぉく…だめ、で、すッ…!」
トントンと一定のリズムで突かれて頭がおかしくなりそうだ。
「こうやって突くとトラゾーの肩がすごい跳ねるの後ろから見るのすげー愉しい」
項にかかる髪を掬われる。
その微かな刺激でさえ今の俺にとっては毒のような快楽に繋がっていた。
「ふは、真っ赤。…めちゃくちゃ美味しそう」
ガブっと項を噛まれその痛みできゅっと身体が強張る。
「はァ…ッ、トラゾー髪黒いから赤が目立つね」
噛み跡を吸われてびくりとする。
「俺の、もの」
所有、執着、独占全てを煮詰めたような低い声。
「〜〜────────……ッ!!」
ナカに広がる熱いモノ。
奥のほうが疼くような、ダメな感覚。
脈打つクロノアさんのモノは全く萎えることなく更に硬く大きくなり、ソコを拡げようとしていた。
「む、り゛、もぉ…ひろ゛げ、な、ぃ゛でくら、ひゃぃい゛…ッ」
どうにか振り返り力が全く入ってない震える腕で俺の腰を掴むクロノアさんの手を押し返す。
「全然力入ってないじゃん。……ほんっと、もっと啼かしてやりたい」
押し返しにもなってなかった手を逆に取られ、背筋を伸ばされるかのように腕を後ろに引かれた。
「ぃっ、やあ゛ぁああ…っ⁈」
角度が変わったせいで突かれる場所が変わる。
「トラゾー、ココも弱いんだ。可愛い」
「やだ、やだぁ…ッ、ぉねが…くろの゛あ、さん、やめ゛てくだ…っ!、な、んでも、ぃうことッ、ききま、すから、ぁ゛…!!」
「じゃあ、俺の気が済むまでヤラせて」
「ひぃ゛…ッッ!」
「なんでも言うこと聞くなら、それね」
ナカで大きく跳ねるクロノアさんのに反応して、びくりと自分の腰も跳ねた。
「ふぁぁ゛あ…っ」
酸素を吸いたくても吸えなくて、浅い呼吸を繰り返す。
「、ッ、は…ァ、ッ…」
「この状況でよくなんでも言うこと聞くなんて言えるよ。…俺のこと煽ってるとしか思えねぇって」
腕を離されてそのままソファーに落ちる。
そのタイミングでナカからクロノアさんのが抜かれた。
「(おわっ、たの、か…?)」
無意識に安堵の息を吐くと身体をひっくり返されて仰向けにされた。
「!!?」
さっきまで自分に挿れられていたクロノアさんのを真正面から見てしまい言葉を失った。
「ぅ、そ…だ、ろ…?」
気の済むまで、そうクロノアさんは言った。
「ゃ…」
大きさにも目を見開いたけど、萎えることを知らないくらい保たれたままのソレに逃げ腰になる。
両脚を抱え上げられ、クロノアさんの射精したモノがお尻を伝う。
「ひぅ…っ」
「こら溢したらダメだろ」
ぴたりと充てがわれ、ゆっくりと蓋をするかのように埋められていく。
「うゃぁぁあ…ッ!」
「あー、やっぱ顔が見えたほうがいいや。……こんな蕩けたカオしてたなら初めから正面からしてればよかった」
残念そうな表情のわりに嬉しそうな声色。
「お、れの、かぉ、なんて…ッ」
「可愛いよ、すごく。…気持ちいいのに我慢しようとしてるのも、俺のこと怖いくせに強がってるのも。…すげぇ興奮する」
「ぁ゛、うッ、ひぁあん…!!」
「コッチのほうだと奥突いてあげやすい」
容赦のない抽挿に上擦った声が上がる。
口を押さえても、指の隙間から漏れ出るせいで抑えることができない。
「そういうのも、煽ってるから」
「んゃあぁ〜〜…っ!」
「無意識でやるのヤバいな」
「もゔッ、…ぃやらぁ゛…!、こン、な、のっ…ぉれじゃ…なぃ…っ」
「トラゾーのこと暴けて俺は嬉しいよ?隙のないキミのこんな隙だらけな姿が見れて」
細められた翡翠と弧を描く口元。
「無防備で、無自覚で。俺のこと信用して信頼きってるトラゾーのことが可哀想で好きだよ」
「ぁ゛──────〜〜っ!!」
「俺だけの可哀想で可愛いトラゾーでいてね?」
ただマッサージしてもらっていただけだったのに。
全てを暴かれ、乱され、壊された。
「何度でも、俺が愛してあげるから」
「くぉ゛のあ、さ…」
「俺に隙を見せたのが運の尽きだったね。それだけ心許されてたって証拠だろうけど。……そうなるように追い詰めてたの気付かないから、やっぱりトラゾーは可愛いくて可哀想」
逃げ場なんてない。
だって、追い詰められた俺はどこにも行くことができないから。
前にも後ろにも横にも。
それに、既にクロノアさんという存在に囲い込まれてる時点で俺は、動けない。
「なんでも言うこと聞くって言ったのトラゾーだから、ちゃんと俺の言うこと聞いてね。ずっと、」
足枷のような言葉に、小さく頷くことしかできなかった。
逃げることのできない俺にはもう、クロノアさんしかいないから。
コメント
11件
krさん…最初から下心ありでしてましたね???(違ったらすいません) trさんもマッサージで寝ちゃうところは抜けててとても可愛いです(*^^*)ほんと無防備ですね(いい意味で)
こういうシチュ大好きです!(*^^*)
かなり雑いし、なんだかなぁ…。 krさんのヤンデレ激重愛率高すぎ(°▽°)