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20 - 第20話 【花開く】サイトでの翔馬

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2025年06月24日

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全部で5通、LINEを送った。おやすみLINEも次の日のおはようLINEも既読にならなかった。


___もしかしてブロックされた?それとも何か大変なことがあった?


気が気ではなかった。それを確かめる術を検索してみたけど、やり方が面倒だった。お昼休みにもLINEをしてみる、6通め。未読のままだ。


もしもブロックされていたとしたら、それは“私も会いたい”と言わなかったからだろうと思う。けれどサイトで知り合った人と会うなんて危険だということは、わかっている、仕方ない。


「はぁ…」


仕事をしながらもため息が止まらない。やる気が出ない。もうこのまま翔馬との繋がりは切れてしまったのだろうか。昨日まで頻繁にやり取りしていたのに、ぷっつりと切れてしまって寂しい。


家に帰って一通り家事を終えて、LINEを開く。相変わらず既読は付かないが、翔馬の写真をもう一度見る。


___都会的な男性、あの香水がよく似合いそう


こんないい男性とLINEしてたのになぁ。ホントは会いたいと思ったんだけどなぁ。


ふと思い立って翔馬と知り合ったあのサイトに入ってみた。ペナルティで強制退会にさせてしまったことは、申し訳ないことをしたと思いながら、翔馬のオープンコメント欄を見た。



___あれ?ウソ!!



やり取りをしている、今現在もコメント欄が動いている!どうして?


何かあったわけじゃなかったことにホッとしながらも、動いているコメント欄を見てしまってカチンときた。


___この人たちともDMをしてる?


思わせぶりなやり取りを見て、思わず私も書き込む。


〈何かあったのかと思いましたが、元気そうで何よりです〉


すぐに返信があるかと待ち構えていたのに、スルーされているようだ。他の人とは楽しそうなやり取りを続けているのに。

“こんなふうに親しくやり取りするのはミハルだけだよ”

あれはウソだったのか。


DMを書く。


〈もう私とは話もしたくありませんか?他の人とは楽しそうですね〉


胸の中で黒い感情が渦巻く、これはきっと嫉妬だ。それからスルーされていることで傷ついたプライドの陰だ。


ぴこん🎶

ちょうどその時、夫からのLINEを受信した。


《取引先とのトラブルで今夜は帰れそうにない》


またか、と思う。それが嘘だと私は気づいているのに。


〈わかりました〉


それだけを返信し、“そんなことはどうでもいい”と思っていたら、翔馬からもLINEが届いた。ドキドキしながら開く。



《会う?会わない?》


それだけのコメントだった。


〈会いたいです〉


そう返事をしてしまったのは、夫からのLINEがあった直後だったからなのか、それとも翔馬が他の女と親しそうにしてるのを見てしまったからなのか、それはわからなかった。






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