宮舘¦ん、、さむ
体を丸めて、毛布にくるまった。
仕事があるけど、なんだかダルい。
渡辺¦涼太
耳元で翔太の声がした。
気のせいだよね。
ここは俺の家で、翔太は昨日 仕事でそのまま自分の家に帰っちゃったんだから。
渡辺¦起きろ
宮舘¦え、翔太…?なんでいるの?
渡辺¦電話してきたの、そっちだろ
嘘。全く覚えてない。
記憶を振り絞って思い出す。
そういえば───
昨日の夜だった。
撮影終わりに翔太に話しかけられて───。
渡辺¦涼太、今日泊まりに行ってもいい?
宮舘¦別にいいけど、、珍しいね
渡辺¦その…話したいこととかあるし……
宮舘¦そっか、じゃあ行こ!
渡辺¦うんっ!
向井¦しょっぴーと舘さん、一緒に帰るん?珍しいやん!
渡辺¦涼太ん家に泊まる
向井¦えぇ!?ほんなら俺も連れてってや
渡辺¦無理
向井¦ひどない!?w
渡辺¦涼太、行こ
宮舘¦またね、康二
向井¦またな!
特に話すことなく、家に着いた。
中に入った途端、後ろから抱きしめられた。
何が起こったのかわからない。
わからないのに、なんとなく苦しくなった。
宮舘¦どうしたの?
渡辺¦涼太……
宮舘¦座って話そ?
渡辺¦ぃゃ……
震えた声で小さく呟いた翔太の声は、どこか寂しそうで儚かった。
宮舘¦大丈夫。大丈夫だから
渡辺¦ごめん、、
宮舘¦いいよ
翔太はそう言って手を繋いだ。
俺は振り払うことなく、リビングまで一緒に向かった。
ゆっくりと腰を下ろす。
フッと息を吐いて、言葉にしてみる。
宮舘¦何があったの?
優しく、傷つけないように。
渡辺¦俺、涼太のこと好き……
宮舘¦うん、知ってるよ
渡辺¦知らないよ。涼太に対する好きっていうのは、純粋なもんじゃない
こういう時は、なんて言えばいいんだろう。
沈黙が続いてしまった。
そんな時、翔太のスマホに電話が。
宮舘¦出たら?
渡辺¦……
素直に頷いて、電話に出たと思えば、顔色が急変した。
翔太から光が消えたように。
宮舘¦……電話の内容は、なんだったの?
渡辺¦今から来いって。主演ドラマの打ち合わせが決まったらしい
宮舘¦凄いじゃん!
渡辺¦凄い?
宮舘¦うん。翔太の出てるドラマは毎週見てるからね
渡辺¦俺、凄い……?
宮舘¦うん、凄いよ
少しだけ、顔色が良くなった。
そして、翔太は微笑んで家を出て行った。
寂しくなった俺は、その寂しさと翔太への不安を紛らわすためにお酒を飲みまくった。
酔い潰れるまで。
そっか、あの時だ。
宮舘¦あれ、もうお酒ない…。目黒に電話ぁ……
お酒といったら目黒が思い浮かんで、目黒に電話をかけた。
───はずなのに、間違えて翔太にかけてしまった。
宮舘¦会いたい
なんて、言っちゃって、翔太を呼び戻しちゃったんだった。
宮舘¦ごめんね…。目黒に電話をかけようとしたんだけど、多分 間違えた…
渡辺¦めめ……?なんでなの?
宮舘¦なんでって…お酒がなくなったから……
渡辺¦っぷ、ははは!!w
どこか違う。
翔太なのに、翔太じゃない。
その笑顔と声に、俺は鳥肌が立った。
宮舘¦翔太……?
渡辺?¦ごめん、俺…しょっぴーやないねん
宮舘¦え、、
向井¦騙してごめんな
宮舘¦翔太は……?
向井¦大丈夫や。まだ生きとる
俺が迷い込んだ世界は、どうやら不穏だらけの世界らしい。
コメント
1件
真面目にぇ…って声出たんですけど