「……」
❤️「さっき飛び降りようとした時にwkiが止めたのは、ryokちゃんが死なないで欲しいから、止めたんじゃないのかな…」
mtkが質問を言うと、wkiは小さく頷いた。
❤️「なのに、ryokちゃんは『wkiが巻き込まれちゃう』って、相手の心配してたの…?」
「ふふっ…だってそれは、『wkiはmtkの大切な人』だから、でしょ。」
「想いあってる2人がいなくなるのは辛いと思うから、言っただけだよ?」
「何があっても大切な人と離れたくないからね…」
💙「…なんで……」
また、wkiがパニックにならないように、出来るだけ落ち着いた、静かな声で伝えた。
でも、なんでって言われても…
mtkとwki。この2人は、お互いを大切にしている。
そんな中に、僕が割り込みしたら、2人がお互いを大切にできなくなる。
そこで、僕は身を引く事を考えた。
僕がいる事で、2人がお互いを大切にできないのなら、引いた方が良い結果になる。
そう、思ったから飛び降りようとしたんだよ?
なのに、wkiは僕が飛び降りるのを止めた。
それは、2人にとってはお互いを大切にできなくなる事になるよ?
やだなって思わないの?
鬱陶しいって思わないの?
「…邪魔って、思わないの…?」
💙「…邪魔じゃ、ない。」
「えっ?」
❤️「…それよりも、僕たちにとってryokちゃんは“あるべき存在”。」
❤️「俺とwkiには無い物を、ryokちゃんは持っているの。」
❤️「だから…いなくならないで欲しい。」
口に出してなかった気がするが、2人はしっかり聞き取れていた。
「mtkとwkiには無い物を持っている…かぁ。」
“何かあった人の気持ちを誰よりも分かり、抱きしめるように手を差し伸べる”人が、mtk。
“一歩先に進んでいても、あとから来る人をフォローする”人が、wki。
そんな2人には無い物…?
2人だけでも、辛かったり苦しんだりした人の心を癒せるのに。
2人がいれば大丈夫なのに。
「…僕にしか無いものなんて無いよ。」
「mtkは、“何かあった人の気持ちを誰よりも分かり、抱きしめるように手を差し伸べる”。」
「wkiは、“一歩先に進んでいても、あとから来る人をフォローする”。」
「そんな2人だけで…充分。」
❤️「そんな事ない。」
❤️「ryokちゃんは“苦しくて倒れそうになった時、後ろで見守りながら、護ってくれる”。」
❤️「護ってくれる存在がいるだけでも、心の支えになっている時がある。」
❤️「だから、ryokちゃんも必要。」
❤️「この3人で集まれば、それこそ“充分”なんだから。」
「そう、なんだ…」
『苦しくて倒れそうになった時、後ろで見守りながら、護ってくれる』存在。
それが、僕。
その言葉が、心に馴染んでいった。
後ろで、手を添えるような存在。
それは、まるで縁の下の力持ちのようだなと思った。
2人がしている事と比べると、あまり目立たないかもしれない。
でも、2人にはそれが分かっている。
その事だけでも心は、ほわほわと暖まっていた。
それなのに、『分からない』と決めつけてしまった。
そして、飛び降りようとした。
その時に、wkiは止めてくれた。
後で、mtkが気づかさせてくれた。
たった、その事が嬉しくて。
感謝を述べないわけには、いかなかった。
「2人とも…止めてくれたり、気づかさせてくれたりして…ありがとう。」
「…もう、“消えたい”って思わなくなったよ。」
❤️「良かった…」
❤️「もし、また思ったりしたら、その時に俺か、wkiに話してくれると凄く嬉しいなぁ。」
❤️「“償い”として…ね?」
「…そんな事で、いいの…?」
❤️「ryokちゃんにとっては、小さいことかもしれないけど、俺たちには大きいから。」
「…!ありがとう…」
やっぱり、mtkは心が大きいなぁと思った。
mtkを、支えていきたい。
これは“償い”じゃなくて、“願い”。
そう、していきたい。
「…これからもよろしくね、mtk。」
❤️「こちらこそ、よろしくね、ryokちゃん。」
お互いに顔を見る。
mtkの表情は、今にも光に向かって歩き出しそうな純粋な笑顔だった。
そんな笑顔にお返しを、と笑ってみせるとmtkは嬉しそうに笑ってくれた。
そんな事をしていると、wkiが寝ている事に気付いた。
仕方ないなぁ、とwkiをベットに戻すmtk。
❤️「それじゃあ、そろそろ帰るね。」
「うん、またね。」
❤️「あ、忘れてたけど…」
❤️「ryokちゃんは5日間入院、wkiは2日間入院だからねん。」
❤️「その間、毎日お見舞いしに行くよ。」
「…大変だから、毎日じゃなくてもいいよ?」
❤️「いやいや、しに行くよ。」
❤️「大切な2人…だから、ね?」
そう言って、イタズラっぽく笑うmtk。
「ふふっ、ありがとうね。」
❤️「どーいたまして〜」
❤️「じゃ。」
手を振るmtk。
それに返すように、僕も手を振る。
扉が閉まり、wkiの寝息が部屋の中に響いていた。
寝ているwkiに近づき、ベットの傍に座った。
💙「スゥ…スゥ…」
少し、幼さが残る顔で寝てる彼の頭を撫でた。
「…ふふっ、ありがとう、wki。」
「おかげで、僕は2人から愛されている事を知れたよ。」
「大事な、大事な…wki。」
そう言うと、聞こえたのか。
少しだけ、笑ったような気がした。
2人へ。
貴方たちのおかげで、僕は色々なことを知ることができたよ。
これからも、よろしくね。
ryokより。
コメント
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天才すぎる…