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「さて。魚とかは冷蔵庫に入れて。後は交代でシャワーなのだ」
という訳で、まず彩香さんが先に風呂へ。
僕と亜里砂さんは、冷蔵庫に魚を詰めながら話をする。
「ところで、彩香と悠は恋人なのか?」
おい、ちょっと。
いきなりそんな事を聞かないでくれ。
色々、思考に手間取るじゃないか。
そこで亜里砂さん、にやりと笑って口を開く。
「好きだけれど、まだそこまで行っていない。了解なのだ」
えっ?
えええっ!!
「先に言っておかないとフェアじゃないから言うのだ。私は魔法で表層思考が読める。言語化して貰えば、声に出さずとも聞こえてしまうのだ」
なら今のは、やっぱり。
ひとしきり驚いてから、気づく。
確かに亜里砂さんは『心理操作とかを得意とする』魔法使い。
それくらい出来ても、不思議ではないよな。
でも、そこで疑問。
「あえて口に出して聞きますけれど、それを何故、僕に教えるんですか」
「歩きながら、悠の思考が色々聞こえていたのだ。それで、私は気に入った相手に対しては、フェアにやりたい主義なのだ」
うわっ。
歩いている途中に思った、見られては困る色々なイメージが、色々出てくる。
子豚が団栗の山を歩いている想像図とか。
生ハム原本と足の太さを比べている想像図とか。
「その程度は別に構わないのだ。何せ、私が自称していた位なのだ。更に言うと、性的な妄想くらいは全然気にならないのだ。そんなので参っていたら、心理操作系魔法使いなんてやってられないのだ」
あ、言われれば確かにそうか。
そんな訳で、色々な妄想とかを出来るだけ気にせず、頭を整理する。
色々考えた結論は、割と簡単な内容だった。
「フェアにしたいからなんて理由で、そう言われたら、認めるしかないですよね」
亜里砂さんは頷く。
「彩香の言った通りなのだ。お泊まり会で悠を誘おうという話になって、私がこの魔法故に色々考えた時。『悠君なら、そんな事気にしなくて大丈夫だよ。色々考えつつも、きっと受け入れてくれるから』。そう、あっさり言ったのだ。これで、ちょっと安心なのだ」
全く。
そんなに簡単に、人を信用するなよ。
「ちなみに、今の台詞もしっかり聞こえているのだ。だから諦めて観念するのだ」
「わかった、わかった」
まあ、しょうがない。
これは成り行きだ、きっと。
僕は自分に、そう言い聞かせる。
亜里砂さんは、そんな僕をにやにやと見ているけれど、気にしたら、きっと負けだ。
気にしなくても、負けのような気がするけれど。