こういうストーリー系って第一話がめっちゃ見られるものですね面白い
つまんなくてすいません()
ふと目が覚めた。
何となく、俺がアイドルになった時の夢を見ていた気がする。
どんな夢だっただろう。
pn「……忘れちゃった」
気がつくと、ブーッブーッと俺のスマホが鳴っていた。
pn「しにがみくん?」
sn「ぺいんとさん!今8時ですよ!?」
pn「……え?あ、」
普段、俺の家から学校まで歩くと25分。
始業は確か8時15分だったはず……。
要するに、……かなりピンチ?
pn「ごめん!お待たせ……」
sn「良かった、早く行きましょう!」
pn「うん!」
そこからは猛ダッシュ。
息をするのも忘れるくらい走った。
pn「はぁ、はぁ……し、死ぬ…………」
sn「あはは、危なかったですね……」
pn「ほんっっとごめん!!俺が遅れたせいで……」
sn「気にしてませんよ!間に合って良かったですw」
通学路を全直疾走した俺たちは始業10分前の8時5分に着いていた。
sn「それより聞きましたか?転校生が来るらしいですよ!今日」
pn「え、初めて聞いたw」
sn「えええ!?めっちゃイケメンって言われててすんごい噂になってるのに!?」
pn「ほんとに?しにがみくんの聞き間違いじゃなくて?w」
sn「いやいや、全校で噂になってるんですよ?」
pn「えーでも俺聞いてなかったし……」
しにがみくんと別れて教室に入ると、いつもよりも騒がしかった。
mb「ねえ聞いた!?今日来る転校生!」
mb「当たり前じゃん!めちゃくちゃイケメンらしいね!?」
mb「めっちゃ楽しみ〜!!」
しにがみくんの話す噂通り、転校生はイケメンらしい。
俺はらっだぁ以上にイケメンな人とか存在するとは思っていないから、そんなことじゃ靡かないけど。
らっだぁが来てくれたら良いなぁなんて妄想しては上がりそうになる口角を抑えた。
先生「はい、静かにー」
先生が教卓に立つと、さっきまで騒がしかった教室が静まり返った。
先生「学活始める前に転校生の紹介するぞー」
先生の一言で教室の前の扉が開いた。
転校生の顔を見た途端、席から立ち上がって叫びそうになった。
……が、それよりも先に教室中が歓喜の声で満たされた。
mb「え、らっだぁ!?」
一人がそう叫んだ。
その声に続いて男女問わず大盛り上がりになった。
俺も嬉しかったし叫びそうだったけど、映画を見てる時に隣の人が大泣きしていたら興醒めしてしまうように、クラスの人達が大騒ぎで冷めてしまった。
先生「はいはい、一旦座れー」
クラスを静めると、言わずもがな全員がわかる彼に自己紹介を促した。
rd「らっだぁです。よろしくお願いします」
意外にも、自己紹介の時間は静かだった。
彼が話し終えると淡々と拍手の音が聞こえ、すぐに消えた。
先生「じゃあらっだぁはぺいんとの前な。後ろから3番目の窓席」
rd「はい」
らっだぁが席につくと、連絡事項を伝えられ、普段通りの学活を終えた。
先生が教卓から離れた途端、らっだぁの周りに人が集まった。
mb「ねえらっだぁくん!好きな食べ物とかある?」
mb「てか彼女いるの?」
mb「なんかゲームやってる?」
mb「アイドルってどんな感じなの?」
rd「あー…えっと……」
mb「サインとか貰える?」
rd「サインは……ごめんね。好きな食べ物は唐揚げだよ。彼女はいない。ゲームは…最近はやれてないけどマイクラとかかな?どんな感じか…大変なことも多いけどやっぱり楽しいよ」
転校早々、質問攻めにあうとは大変そうだ。
しかも人が多いせいで俺の席にまで溢れてる。正直言ってかなり邪魔。
mb「好きな人とかいんの?」
rd「……うん、いるよ」
ちら、と俺の方を見たような気がした。
きっと舞い上がりすぎて自意識過剰にでもなったんだろう。
それにしても、らっだぁにだって好きな人の1人や2人いることにびっくりだ。
mb「えー!どんな人?」
rd「んーめっちゃ可愛い」
mb「え、てかアイドルって恋愛禁止なんじゃないの?」
rd「誰かを好きになる自由くらいあるよw」
「うちの事務所は付き合ってても事務所から許可貰ってれば大丈夫だし」
mb「へーそうなんだ!」
mb「好きな人って誰?」
rd「…………あ、そろそろ授業始まるよ?」
彼がそう言うと、周りに集まっていた人達は「やべー」だとか「ほんとじゃん」とか言って自分たちの席に戻って行った。
rd「昨日ぶりだね、ぺいんとくん」
pn「あ、はい…。覚えててくれたんですね」
rd「そりゃそうじゃん。相方なんでしょ?ぺいんとくん」
pn「はい、一応………」
rd「一応じゃないって。もう決まったんだよ?」
pn「でもやっぱり実感が持てないって言うか………」
rd「えー?じゃあ2人で遊んでみる?」
pn「えっ、あそ………?何で???」
rd「だって俺ら相方じゃん?ぺいんとくんが実感持てないんなら、俺の相方だってわかれば良いんじゃない?だから2人で色々やってみない?」
pn「なるほど………???」
rd「じゃあまずは敬語やめて?それから名前は呼び捨てで」
pn「はあ……」
rd「呼んでみて」
pn「………………ら、らっだぁ……?」
rd「なーに?ぺいんと」
推しからの名前の呼び捨てに照れて窓の外に顔を向けた。
rd「あ、てか授業ってどこまで進んでる?」
pn「え?あー……これ、ノート」
らっだぁにノートを差し出すと少し不満そうに受け取った。
rd「…………ありがと。後で返すね」
pn「うん………?」
らっだぁが俺のノートを触っていると思うと授業に集中できなかった。
sn「ぺいんとさーん!お昼食べましょう!」
pn「あ、しにがみくん!」
お昼になってしにがみくんが教室に来た。
pn「今行く!ちょっと待っててー!」
ちら、と前の席を見るとまたたくさんの人に囲まれていた。
一緒にお昼を食べようと催促されていて大変そうだった。
しにがみくんが俺の名前を呼んで急かすから、らっだぁの姿を横目に駆け出した。
sn「へ〜、あのらっだぁさんが?」
pn「うん。しかも俺の前の席なの!すごくない!?」
sn「相変わらずらっだぁさんの話になると熱がこもりますね……w」
pn「だってあのらっだぁだよ!?興奮しないわけないじゃん!」
sn「そうですかぁ?」
pn「そうだって!しにがみくんだって好きなものの話なら興奮するでしょ?」
sn「そうですけど………」
rd「何の話?」
pn「らっだぁが前の席になって…………え!?ら、らっだぁ!?」
rd「もー……めっちゃ探したんだよ?」
pn「え………?何で?」
rd「ぺいんととお昼食べようかと思ってたのにどっか行っちゃうから」
pn「え、え!?ありがとう………」
sn「あのー…僕、空気なんですけど………」
pn「あ、ごめん!えっと……友達のしにがみくん。一個下だけど家が近いから仲良くしてるんだ」
rd「へー。俺はらっだぁ。よろしくね」
sn「はい、よろしくお願いします!」
pn「こっちは友達……のらっだぁ」
rd「何?その間w」
「んで?俺が前の席になって何?」
pn「ええっとー……………びっくりしたなぁ…みたいな?」
rd「ふーん。………俺も一緒にいていい?」
sn「いいですよ!」
pn「うん!」
らっだぁと一緒にお昼が食べられて嬉しかったけどほとんど俺としにがみくんが話して終わった。
教室にいた時とは違い、らっだぁは黙ってばっかりだった。
アイドルにも休息は必要だし特別気に留めたりはしなかったけど。
pn「またな!しにがみくん」
sn「はい!また帰りに!」
しにがみくんと別れてらっだぁと一緒に教室に入ると彼の周りには人だかりができた。
人気者は忙しくて大変そうだよね。
人と関わることに縁がない俺は自分の席に戻ってぼーっとしていた。
rd「ぺいんとは?どうなの?」
窓の外を眺めて「今日も変わらないな」なんて考えているとらっだぁが俺を呼んだ。
pn「………え?何の話?」
rd「好きな人。ぺいんとはいるの?」
mb「おい話そらすなって!w」
mb「らっだぁくんの方が気になるんだけど〜!」
らっだぁの後ろにいた人たちからの容赦ない声が気になった。
でも当の本人は目を輝かせて俺を見ている。
まるで俺の好きな人のことを知りたいとでも言うような眼差しで。
pn「……………ぃる」
緊張していたからか声が少し掠れた。
それでもらっだぁは興味津々で「どんな人?」と言った。
ほんの少し悲しい目をしたのは気のせいだったんだろう。
pn「えっと………人気者で俺にもすごく優しい人」
rd「そっか〜」
pn「らっだぁは?」
rd「俺の好きな人はねー、俺よりちょっと身長が低くて人見知りがちだけど優しくて人のことばっか優先しちゃって、笑顔とか普段のちょっとした行動とかがめっちゃ可愛い子」
pn「…………その人、きっとすごく幸せなんだろうね」
彼の好きな人を聞いて思った安直な感想を言うとらっだぁは目を丸くしていた。
rd「…………当たり前じゃん。俺が幸せにするんだから」
自信満々にそう言ったらっだぁはすごく眩しかった。
アイドルの時とは違う顔。
どんな顔でもすごくかっこいいけど今が一番かっこよかった。
でもやっぱり少しだけ悲しく重い空気が俺にまとわりついていた。
rd「ぺいんと?」
pn「あ、らっだぁ…………。どうしたの?」
rd「なんか寒そうなところに立ってたから」
校門の前でしにがみくんを待っていたららっだぁに会った。
いつもなら飛んで喜べるけど何となく今は会いたくなかった。
だからいち早く教室から出てきたしらっだぁだってあの後の授業じゃ話しかけてこなかった。
rd「ぺいんとの好きな人」
俺たちの間に流れていた沈黙を破ったのはらっだぁからの意外な言葉だった。
pn「それが何?」
rd「あれってしにがみくんのこと?」
pn「え、何で!?」
まさかバレたんじゃないかと焦ったが思いもよらない名前が出てきて逆に焦った。
rd「だってしにがみくんと仲良しじゃん」
pn「そりゃそうだけど……でもしにがみくんはただの幼馴染だし………!」
rd「幼馴染は付き合いやすいっていうの、恋愛漫画で見た」
pn「だとしてもしにがみくんはないよ!?俺の数少ない友達ってだけで………」
rd「………ごめん。先帰んね」
pn「え、うん………ま、また明日!」
rd「またね、ぺいんと」
人の話もほとんど聞いていないのには少し腹が立った。
それよりも「らっだぁも恋愛漫画とか読むんだなぁ」っていう親近感が強すぎたけど。
少しするとしにがみくんが来て一緒に帰った。
俺のことが嫌いになったんじゃないかという不安が残ってしにがみくんにらっだぁのことを相談した。
しにがみくんは「ぺいんとさんのことが好きなんですよ!絶対!」って変なことを言っていた。
家に帰るとマネージャーさんから連絡が来て明日はダンスのレッスンがあることを伝えられた。
楽しみな気持ちと不安に思う気持ちを抑えつつベッドに潜った。
えー………やっと書き終えました……………(5日くらい)
今日アサイーボールを初めて食べました
コメント
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ストーリーめちゃ好きです! 続き楽しみに待ってます!