テラーノベル
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そしてとうとう金曜日が来た。絶対残業しないオーラを出しながら、黙々と仕事をこなした。きっと彼もそうだろう。社内ではあまり会わなくなったので、日中はメッセージのやり取りばかりだ。社内では会えなくても今日は外でゆっくり会える、それだけで気分良く仕事に向かい合えた。
ところが、退社時刻まであとちょっとの夕方になってから、彼からメッセージが届いた。
〈本当にごめん。今夜、急用が入ってしまったんだけど、デート明日の朝からにしてもらえないかな〉
ガーンという音が頭の中に響いた。でも仕方がないよね。
〈了解です。手が空いたら連絡して〉
〈本当にごめん!!〉
お店の予約とか大丈夫なのかな? でも私が心配することじゃないか……
一気にテンションが下がったのを自覚した。一人ぼっちで三十二歳を迎えるのかぁ。缶チューハイでも飲んで寝てしまうのが良いかな。明日は会えるって言ってるし。
そして私は、本当に自分の部屋で酔っ払って寝てしまった。アラームもかけずに。
ピンポーン
ピンポーン
はっ! 今何時? 八時か。まだ寝れるな。
ピンポーン
あ、誰か来てる。…………あっ!
「はい!」
「良かった、いた」
白田くんが玄関先まで来ていた。ヤバい! 私昨日お風呂に入ってないかも。いや、間違いなく入ってない!
でもとりあえず、部屋に入れてあげなくちゃ。
ガチャ
「ごめんね。寝ちゃってて。あと散らかってて」
「いや、こちらこそ昨日はごめん! せっかくの誕生日だったのに」
「それはいいよ。何か大切な用事があったんでしょ」
「……」
「……? とりあえずシャワー浴びてくるから座って待っててくれる?」
シャワーを浴びながら、きっとふて寝してたと思われたよねと心配した。確かにガッカリはしたけど、怒ってはいない。
とにかくしっかり目を覚まして、メイクしなくちゃ。
身支度をしてリビングへ戻ると、飲み散らかした缶やお菓子の袋が片付けられていた。恥ずかしすぎる。みっともなさすぎる。
「ごごご、ごめんね。気づいたら寝ちゃってて。朝何か食べた? 用意する?」
「いや、大丈夫」
よく見たら、そういう白田くんも、冴えない顔色をしている。もしかして寝てないのかな?
「大丈夫? 寝る? あっ、そういう意味じゃなくて」
「あはは。じゃあさ、ベッドに横になりながら、少し話を聞いてくれる?」
私たちは狭いベットに向かい合って横になった。
「昨日は本当にごめん」
「もういいってば。ほんとだよ」
「前に少し話したかな。計画してることがあってさ。そっちにも関わるちょっとしたトラブルがあったんだ」
「解決したの?」
「なんとかね。朝までかかったんだ」
「じゃあ寝てないのね。いいよ、今日はこのまま寝ちゃおう」
どんなトラブルなのかはいつか聞けばいい。
私たちは、関係ない話、眠くなる様なつまらない話をぽつりぽつりと話しながらそのまま寝てしまった。元夫から電話があった話は今じゃないなと思ってしなかった。
目が覚めたら午後三時半だった。彼は寝ている。私はベッドを抜け出して、彼が起きたら食べられるものを用意しようとキッチンへ向かった。その途中、リビングのテーブルに白田くんのスマホが置いてあって、メッセージの通知が出ているのが目に入ってしまった。盗み見るつもりはなかったけど、見えてしまったんだから仕方ない。そこには、
〈昨日はありがと、やっぱ裕二大好き〉
とハートが三個並んでいた。
よくあるパターンだ。きっとこれは何かの誤解で、
「なるほど、そうだったのね」
となるはずだ。たぶん。
私はキッチンへ行き冷蔵庫を開けて、そのままぼーっと中を見てからまた閉めて、その場に座り込んでしまった。今週は気持ちのアップダウンの波が大きかったけど、最後にダウンで終わった感じだ。何もしたくなくなってしまった。作るのはやめよう。後で一緒にファミレスにでも食べに行こう。彼と一緒に……
コメント
1件
いやー、最後のアレですよ…「裕二大好き」ってハート付き。あのタイミングで目に入るの、辛すぎるだろ〜。今週ずっと浮き沈み激しかったのに、一番きつい形でダウンで終わった感じがすごく伝わってきた。デート延期で落ち込んで、でも朝来てくれて嬉しくなって、最後にあの通知。なんかもう、こっちも胸がぎゅってなるわ。次どうなるんだろ、気になる🔥
日暮ミミ♪
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latte
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#溺愛
星キラリ

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楽地みどり
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