最終章「ガラスの靴の選び方」その2
「権堂くんも、休憩中かしら」
「う、うん。もう少し回ったら戻るけど……」
「この衣装? 気になる?」
修介の訝(いぶか)しげな視線に気づいたらしく、赤鐘は黒い衣装を摘み上げると、ひらひらと見せつける。
「うちのチーム、占いをやってるのよ。気が向いたら遊びに来て」
「へえ……赤鐘さんが、占い」
「意外そうね」
「衣装はすごく似合うけど……なんとなく、信じてなさそうだなって」
「ふふ、さすがね」
「し、信じてないんだ……」
そんなやり取りをしながらも――修介は考えずにいられない。
先日、岡島と話すために、赤鐘の話を中断してしまっていた。
彼女はあのとき、何を聞こうとしていたのか――
「赤鐘さん」
「なに?」
「俺に、聞きたいことがあったんじゃ、ないの?」
「ああ……そういえば、あの日に話したのが最後だったわね」
今思い***************
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