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凪さんと過ごす、初めての休日。
私たちは、彼が教えてくれた隠れ家のようなカフェで、穏やかな時間を過ごしていた。
「結衣さん、そのワンピース、本当によく似合っています」
「ありがとうございます。凪さんに選んでもらったパレットを意識したんです」
少し照れながら答えると、凪さんは嬉しそうに私の手をそっと包み込んだ。
このまま、時間が止まればいいのに。
そう願ってしまうほど、幸せなひととき。
けれど、その平穏を破るように、背後から低く冷ややかな声が響いた。
「――相変わらず、甘っちょろい色使いだな、凪」
振り返ると、そこには凪さんに引けを取らないほど整った容姿の男性が立っていた。
銀縁メガネの奥にある鋭い瞳が、私を値踏みするように見つめている。
「……久堂」
凪さんの声が、微かに強張った。