―side晴美―
「うん・・・そう・・・・帝王切開になるんですってまだ逆子が治らないのよ・・・強情な子だわ」
私は産婦人科の診察を終え、会計を待っている間に母に電話していた
「うん・・・手術日は12月10日・・・入院は帝王切開だから10日間になるわ、また正美と斗真の事をお願いすることになるけど・・・痛っ!」
その拍子にお腹の赤ちゃんが勢いよく蹴った
「あいたたたた・・・つ~・・・ううん何でもない・・・赤ちゃんがお腹を蹴ったの悪口を聞かれたみたいね」
電話の向こうで母が笑った。あたしは会計で名前を呼ばれたから母との電話を切った
せっかくだから入院期間中は上の子二人は母に任せて、お腹の赤ちゃんと二人っきりで過ごさせてもらおう。この病院は母子同室だけと夜中は看護師さんが預かってくれるし、食事は美味しいし、何より帝王切開は怖いけど、あの苦しい陣痛を味合わなくて済む
今日は夕方まで子供達は母が預かってくれる。あたしは健診が終わり、次の予定のマタニティヨガ教室に車で向かった
駅前のショッピングモールの二階にあるスタジオで、私は妊婦のためのヨガレッスンを1か月に1回受けている。3ヶ月目から通っているのでレッスンに来ているほとんどの妊婦さんが顔見知りだ
そして臨月になって毎週何人かが抜けていく、インストラクターの講師も妊婦で、出ベソが分かるぐらい薄くてぴったりしたレオタードを着ている、最近の妊娠したハリウッドのスターを真似て短いタンクトップで、お腹が丸出しにしている、冷えないか心配だ
彼女は精力的に私達に呼びかける
「ハイ!大きく吸って〜〜〜吐いて〜〜〜。吸って ~~~。吐いて〜〜〜。呼吸をもっと意識して。吸って〜〜〜。吐いて〜〜〜・・・・」
少しの動きなのにもう汗が噴き出している私は熊にでもなった気分だ、産まれたら何としてでも痩せようと思った
フト目の前にある鏡で私の背後を見る、先日誘っておいたクレープ屋の真希ちゃんが体験に来ていた
真希ちゃんが私が見ていることに気づきニッコリ笑って手を振る、私も手を振り返す講師のがさらに元気よく生徒に呼びかける
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