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執着
俺は髪を染めた。今までは黒髪で少し短い髪。思いっきり変えた、だって前の容姿のままじゃ舐められてばかりだから。俺は身体が小さい方だから。
佐久間「わぁ……入学式か」
俺は不良学校へと入学した。入学式なんて人生でそう何度もあるものではない。だからこそ少しテンションが上がっている。知らない顔のやつらばかりで、ガタイの良い奴、殺気立っているやつ、まともそうな奴……?
俺は目を引かれた。確かに見た目は制服を着崩してピアスのして、明らかな不良。でも少しばかりか不安そうな顔が伺える。俺の勘違いだろうか…
俺はそいつとクラスは違った。名前がわかんないから顔で探すしかない。でもクラス一個一個覗いてたら変なやつだよねぇ…どうしよ?そんの思いを巡らせ、俺は廊下を歩く。もう下校時間だ。
ガヤガヤッッ!!
なぜか騒がしい。あるクラスの前が一際盛り上がっている。もうクラス仲良くなったの?と思いつつ、俺の脚は動いていた。
ヒョコッ
佐久間「?、何にそんな騒いでんだ…?」
「……!あれか…」
ジョシ[ねぇ“宮舘くん”ってめっちゃカッコいいね!彼女とかいるの?!]
ジョシ[ほんとイケメンっ!彼女いないなら私とかっ……!]
宮舘「……」 ガタッ…
ジョシ[あ!宮舘くん待ってよっ! ]
宮舘 スタスタッ…「………ごめん……どいて、」
ダンシ[あ、わりぃわりぃ]
ダンシ[宮舘…なんだか不良なのにリステリア?みたいだよな] ボソッ
ダンシ[だな、まとってる空気がちがうというか…] ボソッ
佐久間「……“宮舘” 」
初めて聞く名前だ。不良ともなれば学校がちがくても噂というのは舞い込んでくる。彼は女子なんかに目もくれず、男子のヒソヒソ話も聞こえているだろうにフルシカト。メンタルが以上と言うか多分、興味がなくてどうだっていいのだろう。
宮舘「……ねぇ君邪魔、どいてくれる……?」
佐久間「にゃ…?あ、俺っち??」
宮舘「コクッ…」
佐久間「……ね!ちょっと来てよ!」 クイッ!
宮舘「!?おれ”……帰る”の……ッ!」 グググッ…
佐久間「お願い!」
宮舘「……やだ帰るっ……」 パシッ…
佐久間「あー!待ってよ〜!!」 タタッ!
俺は宮舘が気になって後を追う。どれだけ問いかけても彼は無言。それでも俺は彼が気になる。
佐久間「ねぇねぇ…」
宮舘「っ!何なの!さっきから…付いてこないで…!」
佐久間「!宮舘っておっきな声出すんだぁ…」
宮舘「もう本当に辞めてっ!」
そう言って彼は行ってしまった。流石にしつこくしすぎたかなと思ったが、謝ろうにも彼はもう居ない。明日にでも謝ろうと歩みを進めたその時だった。
グワンッ…
佐久間「…?あれ……なんで……めせん…さがって………?」
俺は一気に倒れ込んだようだ。頭がグワングワンして意識が朦朧とする。声を発したいのに口が動かない。もしかしてヒート…?予定日より明らかに早い。こんな道のど真ん中で倒れていたらいつ襲われてもおかしくない。
佐久間「ッッ……も…だめ、かも……」
「さくまくんッッ!!」
誰かが俺の名前を呼ぶ。この声好きだな。全然うるさくない声。目は開けれないから誰だかわかんない。こんな俺でも優しくしてくれるんだな…
佐久間「ん………あれ、ここ……」
俺は見覚えのある部屋にいた。そう自分の部屋。時間を見れば18時をちょうど過ぎた頃だった。倒れてしまった事まで覚えているがそこからの記憶が全くない。自分がなぜ部屋にいるのかも、どうやって帰ってきたのかも、あの声の持ち主もわからない。
佐久間「あぁ……ヒートだやっぱ、」
「…ん?なんだこれ………」
ベットの横のサイドテーブル。そこにはペットボトルと開封済みの薬のゴミ、1つの紙があった。
俺はそれを手に取る。手紙のようだ。
佐久間「誰の字だこれ…?」
“抑制剤は飲ませてあります。無理だけしないよう、休んでください。”
たったこれだけ。見たことのない字だ。親でも兄弟達でもない。俺を助けてくれた人?それも分からない。
佐久間「はぁぁ………取り敢えず1週間休むか…」
そして俺はたま眠りについた。