テラーノベル
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朝の光がカーテンの隙間から差し込んでいた。
静かな部屋。
時計の音。
それ以外は、穏やか。
らんが先に目を覚ました。
ぼんやりと視界が明るい。
(朝…)
そこで気づく。
呼吸の音が近い。
温かさが、すぐ隣にある。
ゆっくり視線を動かす。
ベッドの横に、椅子。
その椅子に座ったまま、ベッドに突っ伏して眠っているいるま。
腕が、布団の端を軽く掴んでいる。
逃がさないみたいに。
らんは瞬きをする。
(夢じゃない)
胸の奥がじんわり温かい。
昨日の怖さは、遠くなっている。
代わりに残っているのは、
“隣にいてくれた時間”。
そっと、布団の中から手を伸ばす。
迷う。
でも。
指先で、いるまの袖をちょっとだけつまむ。
「……ん」
いるまが少し動く。
目は閉じたまま。
でも手が無意識に動いて、らんの手の上に重なる。
完全に無意識。
守る形。
らんは動けなくなる。
心臓の音が大きい。
(これ、普通?)
分からない。
でも嫌じゃない。
むしろ。
安心が、先にくる。
いるまがゆっくり目を開ける。
状況を理解するまで数秒。
それから固まる。
「……」
「……」
目が合う。
どっちも何も言わない。
いるまが先に視線を逸らす。
「寝れてたか」
低い声。
「うん」
らんは小さく笑う。
「途中、怖くなかった」
それだけで十分伝わる。
いるまは手を離さないまま言う。
「ならいい」
短い。
でも、少しだけ声が柔らかい。
普通なら、離れる距離。
でも今日は、まだそのまま。
朝の光の中。
何も特別なことはしてない。
ただ、近い。
それだけ。
らんがぽつりと呟く。
「いるま」
「ん」
「今日も、いてくれる?」
いるまは一瞬だけ驚いて。
それから、迷わず答える。
「いる」
朝の空気が、少しだけ変わる。
怖さが消えたわけじゃない。
でも、
“消えない存在”ができた。
それは昨日までの二人にはなかったもの。
境界線はまだある。
でも。
その線の内側に、
二人でいる朝が、当たり前になり始めていた。
コメント
4件
お...いい雰囲気になってきましたねぇぇぇw
ん〜、もうほんとにこのおはなしすき(( おふとんいいよね(( かけてよし! ∧_∧ (゚Д゚ )_ r⌒と、| ) ノ ノ ヽ / / )/ ( ノ/ 〈二二二二_ノ かぶってよし! ∧_∧ /(*゚Д゚) / У~ヽ (__ノ、_) まるまってよし! /⌒⌒⌒ヽ (゚Д゚*)__) フトンサイコー!! ∧_∧ ( °∀° )_ r⌒と、| ) (???????????)