テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
21
#シリアス
301
30
スマホを受け取り、震える指先で画面をタップして読み込む。
僕のメッセージアプリの友だちリストに、新しく『白神 怜治』の名前が追加された。
(……怜治さんの連絡先、ゲットしちゃった…っ)
じわじわと込み上げる嬉しさに、体調の悪さも忘れて思わず頬が緩んでしまう。
「あ、あの!本当に……色々とありがとうございます!」
「ううん、俺のほうこそ。気をつけて帰るんだよ」
最後に送られた極上の笑顔に背中を押されながら、家路についた。
帰り道
小さく手を振る怜治さんの背中が見えなくなるまで見送りながら、僕は心の中で何度も呟いた。
(あんなに優しくしてくれるなんて……本当に、おとぎ話の王子様みたいだ……)
怜治さんという存在が、今日も僕の灰色で平凡な世界を、鮮やかなピンク色に染めてくれていた。
◆◇◆◇
家に着くなり、僕は買ってきた荷物をリビングに置き、自分の部屋へと駆け上がった。
深呼吸を一つして、そのままベッドへと勢いよく倒れ込む。
(まさか、まさか本当に、怜治さんと連絡先を交換できるなんて……っ!これ、夢じゃないよね!?)
確かめるようにスマホを取り出し、画面を開く。
通知欄の下
新しく追加されたトークルームに彼の名前を確認すると、胸の奥がキュンと甘く疼いた。
「でも……怜治さんなら、きっと信頼できるよね」
圧倒的な安心感と幸福感に包まれながら
ここ数日続いていた体調不良の気怠さが、心地よい眠気となって襲ってくる。
僕は穏やかな気持ちのまま、そっと瞼を閉じた。
◆◇◆◇
翌日の日曜日。
朝起きてすぐに、枕元のスマホを引っ掴むようにして画面を点灯させた。
すると、そこにはすでに怜治さんからの新規メッセージが届いていた。
【おはよう。体調は大丈夫?何か辛いことがあったら、いつでもすぐに連絡してね】
たったそれだけの、短くて簡潔な文章。
なのに、それを見ただけで胸の奥がふんわりと綿菓子のように温かくなる。
【おはようございます!体調、おちつきました!昨日は本当にありがとうございました!!】
ベッドの上で飛び起き、急いで返信を打ち込んで送信する。
すると、ものの数秒で画面に『既読』のマークがつき、すぐに返事が返ってきた。
【ならよかった。無理はしないでね。何か手伝えることがあれば、いつでも言って】
その徹底した気遣いが、嬉しくてたまらない。
やり取りを終えると同時に、僕は弾むような足取りでベッドから降りた。
カーテンを勢いよく開けて、差し込む秋の光を全身に浴びながら大きく伸びをする。
「よし……!気分もいいし、朝ご飯を食べたら、録り溜めてたアニメを一気見しちゃおう!」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!