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──あれから数日……
「あれ!?シオンちゃん!?」
ミアレを歩いていた時横から呼び止められる
「嘘!シオンちゃんよね!?いきなり辞めるなんて言ってから、全然見かけなくなったから心配したのよ〜!?」
そういってエプロンを着た美人な女性に抱きしめられ困惑する
『すみません…今声が出なくて』
「えぇ!?ウソ!風邪!?」
『色々あって…それとすみません…実はここ4年の記憶がなくて…もしかして仲良くして頂いてた方ですか?』
「え!?記憶ないの!?えっ!?ちょ、店長!大変!!」
文字を見て目を見開いたかと思えば、シオンの手を取りそのまま後ろのパン屋に入っていく
「シオンちゃん心配してたのよ〜!?でも無事でよかったっ!」
中からムキムキの男の人が出てきたかと思うと、お姉さん口調でシオンに話しかける
「でも記憶がないなんて、辛いでしょう…?」
『大丈夫です。それより皆様とはどういう関係で…?』
「あらっ、私はこのパン屋の店長をしてる『マリア』よ!横の子は、うちの看板娘の1人の『ミア』ちゃんっ!」
「シオンちゃんは、3年前ここで少し働いてたのよ〜!」
ここで働いていたのか…と思い周りを見渡すが何か思い出せそうで思い出せない
「シオンちゃん今は何をしてるの?」
『何も…けどそろそろ職を探さないととは思ってて』
「まぁ!それならうちに戻ってきなさいよ! 」
『でも私声出ないし、迷惑かけると思います…』
「声なんていいのよ〜!シオンちゃんにはそのキュートな顔があるじゃないっ♡」
そういってシオンの鼻をツンっと触る店長
「店長それセクハラ!でもシオンちゃんさえ良かったらここで働いたらいいわ
何か思い出すかもだし!!」
そういってシオンの手を握りキラキラした目でシオンを見つめるミア
そんなミアと店長の顔を見て、少し悩んだ後『ご迷惑おかけしないよう頑張るので、お願いします』と返事をした
「(個性強い人達だったけど、凄くいい人達だったなぁ…)」
去り際に大量に渡されたパンを両手にホテルZへ帰る
〖アチャ!!〗
「…ぃ、る?」
〖んちゃ〜!!〗
パンを少しちぎり渡すと肩の上に乗っていたアチャモが嬉しそうに食べる
「(可愛い…この子達の為にも早く記憶取り戻さないとな…)」
リザードンのためにも、早くメガシンカ出来るようにしたい
それにやはり、記憶を取り戻したかった
アザミは不慮の事故と言っていたが、何か裏があるように感じる
それに何故バレるはずのない施設の場所がバレたのかも気になる
「(首の装置がなくて、不慮の事故で3年も眠ってた……)」
そこから自ずと1つの可能性に辿り着く
しかしもし自分が施設の場所を言ったとして、こう生きているのも不思議だし、カラスバ達が動いたということは場所を伝えた相手は彼ということだ
何故、ターゲットである彼なのか
「(ますます分からないな…なんであの人に……)」
やはり記憶を早く取り戻さないと
モヤモヤを抱えたままホテルZへ戻った
「えーっ!?ここでるの!?」
『もう働けるし、しばらくしたら出ていくつもり。今までありがとう』
「そうですか…たまには遊びに来て下さいよ」
驚くデウロに少しそっぽを向きながら話すピューロ
「シオン、大丈夫?喉治ってからの方が…」
『大丈夫。新しい職場も凄く優しい人達でね』
そう笑うと少し心配しつつも「そっか…」と話すセイカ
「そうか…寂しくなるけど、シオンが決めたことなら止めれねぇな!!
でもたまには会いに来てくれよ?」
『うん、ありがとう!』
いつものようにガイに頭を撫でられ、ドキドキと胸を鳴らす
早く声も出してガイともっと話せるようになればいいのに、と思いつつ「送別会しないとなー!」と元気に話すガイを見つめた