何度もごまかして、はぐらかして、曖昧なまま繰り返してきた関係。
でも、もう誤魔化せない。
「……俺は」
拳をぎゅっと握りしめる。
「俺は、ずっと……照が好きだったよ」
「……」
「でも、俺たちアイドルだからさ。簡単にどうこうできるもんじゃねぇし……」
「それでも、か?」
照の声が、どこか優しく響く。
「それでも、照がいい」
もう、隠せなかった。
今さら嘘をつくのは無意味だった。
「俺は、照がいい」
言葉にした瞬間、胸が苦しくなる。
長い間押し殺してきた想いが、ようやく解放されたからかもしれない。
「……そっか」
照は静かに呟くと、ふっと笑った。
「俺も、ふっかがいい」
「え?」
それは、俺がずっと欲しかった言葉。
けれど、手に入るはずがないと思っていたもの。
「……本気?」
「本気じゃなきゃ、こんなこと言わないよ」
照は小さく息をつくと、俺の肩を引き寄せた。
「これから先、色々あると思う。でも、それでも……ふっかと一緒にいたい」
「……バカだな」
「ふっかもな」
お互い、軽く笑い合う。
でも、そのまま離れることはなかった。
静かな闇の中で、二人はようやく”本当の気持ち”に辿り着いた。
“夜が終われば終わり”だと思っていた。
でも、もう朝になっても離れられない。
「……これからも、俺の隣にいてくれる?」
そう囁いた照に、俺は震える声で頷いた。
コメント
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いい話をありがとうございます😊 涙がでました😭