新学期でざわつくクラスの中。
その中に一つ、どうしようもないほど落ち込んだ声が聞こえた。
「はあ…」
そう深くため息を付くのは山本翔大だった。
翔大は✕✕✕市立△△中学校2年B組の男子生徒で、吹奏楽部の副部長だ。
そしてなんといっても全ての物事を暗くネガティブに考えてしまう。
「翔大〜!!」
教室のドアからパッと弾けるような声がする。
「翔大、友達できた〜?」
「できるわけねーじゃん、」
「翔大ったら遅すぎ!もう2学期なんだから10人ぐらい友達作ったら〜?」
ドアから弾けるような声を響かせているのは、翔大の幼馴染、花里夏鈴だった。
夏鈴はダンス部のムードメーカーで、何があっても明るくポジティブに考えられることが翔大にとっての救いだった。
「っせーな、俺はぼっちで構わないって言ってんじゃん。夏鈴はそれ毎学期聞くし。」
「もー、
じゃあ彼女はできたのね?」
「俺別に好きな人居ねーし」
「うそー!
まあ私もだけどさー、」
「じゃ、帰って。」
「はぁーい」
そして放課後。
「あ、翔大くんじゃん!」
「あ、秋下先輩どもっす。」
「今日夏鈴とカフェ行くんだけどさ、翔大くんも来る?」
「行きます。」
「じゃ、また後で!」
夏鈴と秋下先輩は付き合って1年だ。
俺と夏鈴が中学1年生のときに、秋下先輩とこんな事があったから…
「夏鈴ちゃんっていうんだ!素敵な名前だね!」
「あ、ありがとうございます!」
「そうだ、入学式終わってから隣町の遊園地行くんだけどさ、夏鈴ちゃんと翔大くんも来る?」
「俺は、、、」
「行く!私行きたい!
翔大も行きたがってるから、みんなで行きたいです!」
「わかった!」
「おい夏鈴、なんで勝手に話進めるんだよ。」
「いいじゃん!たまには翔大を外に連れ出さないと。」
「う、、」
「じゃ、帰るよ!」
「あ、夏鈴待って!」
遊園地
「あ、夏鈴ちゃんと翔大くん一緒に来てる!
付き合ってるの?」
「いや、俺らは幼馴染で、家も近いので一緒に行ってるだけです。」
「そうだよ!誤解しないで!」
「ごめんごめん、ついいじりたくなっちゃった、」
「もう!なにそれ!」
「あはは、ごめんって」
「まあいいや、ジェットコースター乗ろ!」
「あーー、しんどい、、」
「夏鈴、だいじょーぶ?」
「うん、、」
「無理しなくていいんだよ、しんどかったら帰りな」
「あッあッ秋下先輩!?」
「ん、しんどかったら無理しないでね、
あと、翔大くん夏鈴ちゃんしんどそうだったら一緒に帰ってあげてね」
「わかりました、」
「ありがとうございます、秋下先輩!!」
(何この人、すっごい優しい。
私、秋下先輩のこと…ッ)
「あ、秋下先輩!!!」
「どうしたの?夏鈴ちゃん。
無理しなくていいんだよ。」
「日曜日、○○公園で会えませんか…?」
「…いいよ」
日曜日
「あっつ、まじで太陽馬鹿げてんじゃない?25℃とか」
「夏鈴ちゃん、翔大くんやっほー」
「秋下先輩!」
「どうしたの?」
「…話はカフェで、、、」
「わかった。」
「ごめん翔大、来てもらったんだけど帰って。」
「わかった。
夏鈴、ファイト!」
…そこから付き合ったらしい。
そうこうしていたらインターフォンが鳴っていた。
「はーい、」
ガチャ
カフェ
「懐かしーなー、
ここで夏鈴に告られたんだよなー」
「ちょっと大佑くん、あんま言いすぎないでよ!///」
「ごめんごめん、w」
「で、なんでカフェに来たんですか?」
そう。カフェに来たら必ずなんらかの報告がある。
「…高校についてなんだけど、」
「うん、」
「僕、最近隣の市にできた○○高等学校に行こうと思ってて。」
「え、秋下先輩、」
「だから夏鈴とは少なくとも1年間は会いにくくなるんだ。」
「はあ、」
「だから、
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いかがでしたか!?
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それではじゃーねえん
コメント
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名前はかりんちゃんとしょうたくんです!