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〝地味子なあんたは私の引き立て役なの〟
〝合コンで彼氏作るにしてもブサイク男がお似合いだから、自分の立場弁えなね?〟
大学に入ってすぐできたキラキラとした女子大生友達の川上サラに言われた言葉が頭の中で木霊した。
それは彼女が私を合コンに連れていくときだけではない。
友達として彼女の隣を歩くとき
一緒にショッピングに行って服を選ぶとき
SNSに写真をアップするとき
男女複数人の集まりのとき
サラは決まって私を貶す。
息をするように、いつも私の自信を削って行った彼女は、悪気があるし悪気がないのかもしれない。
〝ねぇ萌歌、今日のリップどうしたの?自分で選んだの? ……あ、もしかして流行りのパーソナルカラーとか意識しちゃった感じ?〟
などと、決して「似合わない」とは直接言うことなく
私自身の口から「やっぱり、似合わないよね」という言葉を引き出すのが目的だ。
その他にも
「心配」という大義名分を使ってマウンティングし、自分の意識の高さと行動力をアピールしてくる。
まるでハイエナのような女の子だ。
それでも、反論するほどの勇気や自信は私には備わっていなかった。
備わっていない、というより
備えてこなかったという方が正しいか。
正直、自分磨きはしていた。
それでも、サラに否定される度にどんどん自信を失っていき、彼氏なんてものも諦めていた。
恋や恋愛をする限り、大学に通う限り
サラの呪縛からは逃れられない気がしたのだ。
だから、サラの存在を拒絶することも嫌味を否定することも、いつの間にかやめていた。
なのに、そんな私にも転機が訪れたのだ。
それは、遡ること
凡そ1か月前に誘われた合コン────
大学にて
いつもと変わらない綺麗な顔で笑うサラが
「ねぇねぇモカ♡今日も合コン行こうよ~!」と、私の腕に抱きついてきたのだ。
この時点で自分が引き立て役として呼ばれていることは百も承知だった。
だけど
「断ればサラの期限を損ねる」
「行けばサラの引き立て役として馬鹿にされる」
どちらを取っても苦痛な未来が待っているのは変わらないとすぐに判断できた。
「わかった、行くね」
私はすぐに作り笑いをして二つ返事をした。
「ほんと~?!やった~♡♡」
彼女は、私が断らないことなんて分かっているだろうに、大袈裟に嬉々とした声色ではしゃいだ。
これは、いつものこと。
事務的に合コンに参加して、今日もサラのことを立てればいい。
レポートを書くよりも単純明快なことだ。
私はただそれだけを考えて、サラに笑い返した。
その日の合コンは、サラの知り合いの知り合いであるイケメン会社員が主催した
「若手ビジネスマン×女子大生」のキャリア・異業種交流という名の合コンだった。
コメント
1件
わあ、第1話からすごい重い空気…😭 サラの「引き立て役」発言、読んでるこっちまで息苦しくなったよ…。モカの「断るのも行くのも苦痛」って諦め感、すごくリアルで胸が痛い…。でも「転機」ってワードが出てきたから、この先どう変わるのかすごく気になる! サラの呪縛から抜け出す日が来るのかな…次が待ち遠しいよ🌸