テラーノベル
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──突然、すまない先生の容態が悪化した。
耳にけたたましい音が、劈くように響く。
心電図がか細くなり続ける。
本当に突然の事だった。
「ブラック!これはどういうことだ!?」
「わかりません!!こっちが聞きたいほどです!!」
冷静であるブラックでさえ、大声でそう叫ぶ。
それほど、危機的状況なのだろう。
銀さんは、何も出来ず、その場に立っていただけだった。
✵✵✵✵✵
何とか危機を脱したのか、心電図は穏やかな音を流し、部屋も静かになる。
耳を劈くような音を出していた機械は、すまない先生の容態になにか会った時に報告してくれる機械のようで、それが鳴り響いていたと、ブラックが説明してくれた。
遅い時間だったが、クラス全員が集まり、話し合っていた。
「・・・そろそろ、すまない先生を起こした方がいいかもしれませんね」
「起こせるのか?」
「・・・本来なら、自然的に目覚めるのがいいのですが、すまない先生は深い眠りにつき、軽い植物状態です」
その言葉が、ガツンと頭を殴られたように、胸に刺さる。
あのいつも元気で、よくドア破壊して、でも、とても強いあの先生が、植物状態?
その真実に銀さんどころか、他の生徒も考えが追いつかなかった。それに気づいたのか、ブラックは慌てて補足した。
「失礼、植物状態と言っても、脳に障害はございません。前にも言ったように、脳は夢を見ている状態です。ただ、“その夢から帰ってくることが出来ない”といった状態です・・・先程も言いましたが、自分から目覚めるのがいいのですが、あまりに深い眠りの為、起こしに行くのがいいと考えまして・・・」
そこまで言うと、ブラックは、端末を見せた。
リモコンのように、片手で持てる機械。
レッド、ブルー、バナナ、赤ちゃんは見覚えのないようで、首を傾げているが、銀さんは“それ”に見覚えがあった。
「・・・それ!!」
「えぇ、“記憶にはいれーる”です」
それは、レッドたちが休みの際、ブラック、マネー、銀さんが記憶が消えてしまうウイルスに感染してしまった際、すまない先生がブラック・イーグルと共にウイルスを除去した。
その際、すまない先生が片手に持っていた物だ。
「これを弄り、“精神世界にはいれーる”に改造しました」
「それで、すまない先生の意識に潜れるのか?」
「意識というか、精神に入れると言った形ですけれどね」
「・・・ん?それ、どっちも同じ意味じゃねぇの?」
机に足を乗っけたレッドがそう零す。それにブラックが説明した。
「いいえ、“精神”と“意識”は全くの別物です。“意識”は目の前のスクリーン、“精神”は裏で操る操縦席だと思ってください。すまない先生の意識は、あります。けれど、精神の方で“なにか”があり、目を覚まさない。と言った感じです」
「お、おう・・・?」
レッドたちは半分理解出来ないのか、困惑した表情をしていた。
もちろん、銀さんも軽く混乱していた。
✵✵✵✵✵
ブラックはその機械を握りしめ、すまない先生の前に立つ。
その後ろに銀さん、バナナ、レッド、マネー、赤ちゃん、ブルーが立っていた。
「いいですか?・・・行きますよ」
そう言うと、ブラックはスイッチを押す。
すると、目の前が目を開けて居られなくなるほどの光に包まれ、銀さんは思わず目を閉じた。
✵✵✵✵✵
やがて、ゆっくり目を覚ました。
「・・・わ・・・」
思わず銀さんはそうこぼした。
──その精神世界は綺麗な青空に、金色の稲穂が、揺れていた。
✵✵✵✵✵
ふと、1人の“黒髪の少女”が水色のボールをポーンと投げて遊んでいた。
【・・・ん?・・・あら?“誰か来たのかしら?”】
そう零す少女の瞳は、妖しく揺らめいていた。
コメント
3件
黒髪の少女かぁ…誰だろうな… エウリかと思ったけどエウリは白髪やしな…?誰だろうな