テラーノベル
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あの日以降、二人の距離はより深まっていった。
平日は仕事がある為、お互いに残業が無ければ食事に行くことはあるものの、週末はどちらかの家で過ごす週末同棲状態になりつつあった。
そんな中、ある土曜日の朝、朝陽の元へ休日出勤予定の先輩から連絡が入り、体調を崩して病院に行きたいからと勤務を代わることになり、急遽休日出勤になってしまう。
「すみません、折角の休みなのに……」
「仕方ないよ。仕事だもん」
昨夜から朝陽の部屋に泊まりに来ていた亜佑美は言いながらも少し残念そうな表情を浮かべていた。
「……あの、終わったらすぐ帰ってくるので!」
「うん、でも……朝陽くんが留守なのに私が部屋に残ってても良いの?」
お互いの部屋を行き来している仲とは言えど、家主が居ない部屋に残るというのは初めてのこと。
そこを気にした亜佑美が朝陽に尋ねると、
「勿論です! 俺にとって亜佑美さんは家族と同じくらい大切な存在なので困ることなんてないですし、その、合鍵も渡しておきたいと思っていたので、これ、持っててください」
朝陽は照れながら家の鍵を亜佑美に差し出した。
「朝陽くん……」
「これからはそれ、使ってください」
「ありがとう……嬉しい」
「合鍵、他には渡してないので、勝手に誰かが入ってくることもないですから安心してくださいね」
「うん」
「それじゃあ、そろそろ出ますね」
「行ってらっしゃい。あの、夕ご飯作って待ってても良い?」
「嬉しいです! それを楽しみに頑張って来ますね! 行ってきます!」
こうして亜佑美は朝陽を見送り、今日の一日を朝陽の部屋で過ごすことになった。
日中は洗濯や軽く掃除を済ませ、お昼も兼ねて近くのスーパーへ行くことに。
その際、朝陽から受け取った合鍵を使った亜佑美は嬉しくて思わずニヤけてしまう。
(思えば、合鍵を貰うことって無かったな……ご飯作って帰りを待つのとか照れるけど、嬉しい……)
夕飯の献立は何にしようかなと考えながらスーパーで買い物を済ませ、夕方頃になると、朝陽の帰りに合わせて夕食の準備を始めていく。
そして、定時で仕事を終えた朝陽から連絡が入り、三十分程で帰るという報告を受けた亜佑美は食卓の準備を整えていた。
そんな時、インターホンが部屋に鳴り響き、ドアホンで確認すると一人の青年の姿が映っていた。
(誰だろ? 朝陽くんのお友達……かな?)
見た目は二十代くらいで、柔らかなアッシュブラウンの無造作ヘアに淡いグレーの切れ長の瞳が印象的な青年だった。
「あの……どちら様でしょうか?」
朝陽の友人かもしれないと思った亜佑美はドアホン越しに応対する。
『こんにちは~、俺、朝陽の友達の陽向って言います』
「あ、その、朝陽くんは今、出てまして……」
『知ってる知ってる。さっき朝陽に連絡したら仕事だって。もうすぐ帰るから家で待っててって言われたんだけど……』
「え……あ、そうなんですか?」
『もしかして、聞いてない?』
「ええ、まあ……」
『マジか……どうすっかな……』
「あ、あの、今そちらへ行きますね」
ドアホンを切った亜佑美は一旦玄関へ向い、ドアを開ける。
「あ、わざわざすいませんね」
「いえ……」
「え、ってかキミ可愛いね。朝陽から聞いてたけど、想像以上だわ」
「そ、そんなこと……」
彼ーー陽向は朝陽と違ってグイグイくる男で亜佑美は戸惑いを隠せない。
(背、高いな……180くらいあるのかな?)
「朝陽からキミのことはよく聞いてるよ。確か、亜佑美さん……だったっけ?」
「あ、はい、木葉 亜佑美です」
「ほら、アイツ今回が初めての彼女じゃん? 色々心配してたんだよねぇ。相手は年上だって言ってたし。けど、亜佑美さんみたいな美人と付き合えるとかアイツ強運過ぎ!」
「あはは……」
朝陽のことや自分のことを知っているとあって、親しい間柄であることが分かった亜佑美は悩んだ末、
(朝陽くん、すぐ帰るつもりだったから待ってるように言ったのかな? 外で待ってもらうのは悪いし、中に入れた方がいい、よね?)
「あの、朝陽くんもすぐに帰ってくると思いますから、中へどうぞ……」
「え!? いいの? それじゃ、お言葉に甘えてお邪魔します」
陽向を中へ招き入れることにした。
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#大人ロマンス
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コメント
1件
おおっ、合鍵エピソードきたね!亜佑美が頬緩ませながらスーパー行くところとか、夕飯作りながら待ってる感じとか、甘々でほっこりしたわ〜。でも最後の陽向くん、急に来てグイグイくるタイプでちょっと心配になる。連絡は確かに朝陽からあったっぽいけど、亜佑美が戸惑ってるの見て「大丈夫かな??」ってなった。続き早く読みたい🔥