テラーノベル
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家に帰る道中、母は怒りが収まらないのかブツブツと独り言を漏らしていた。ユミはそんな母にひと言も話しかけられず、無言で家までの道を歩いた。
母「疲れたわ、少し休むわね」
ユミ「お腹すいた〜」
母「お昼すぎね。台所にパンがあるから、今日はそれで我慢して」
そう言って寝室へ向かった。ユミも少し疲れたのか、リビングでパンを食べながらうつらうつらと眠りについた。
ガサッ、ガサガサ。
薄暗くなったリビングのソファーで眠りについていたユミは、異音で目を覚ました。
ユミ「ここどこ? リビングで寝ちゃったんだ。ママー!」
寝起きでパニックを起こしたユミの叫びが家に響いたが、反応はなかった。ユミは落ち着きを取り戻し、電気をつけると、先ほどの物音が再び聞こえた。
ガサガサッ。
ユミ「何の音? ママ、隠れてるの?」
音は台所のほうから聞こえた。ユミは音の正体を確かめるため、恐る恐る台所に向かい、周りを見渡した。テーブルには夕飯が用意されていた。
ユミ(ママじゃないの……?)
音はどうやら外からしているようだった。キッチンの上の窓に目を向けると、網戸になった窓に無数の黒い物体が蠢いていた。
ユミ「ギャーッ!」
ユミ「なに、これ……虫……!?」
勇気を出して確かめると、それは無数のカブトムシが網戸を破ろうと引っ掻く音だった。
コメント
2件
うわ、これはゾッとしましたね……。日常の延長で寝落ちして、目が覚めたら薄暗い家に1人、しかも台所の窓に無数のカブトムシって。夏の風物詩が一気にホラーに変わる感じ、すごく良かったです。ユミが「ママー!」って叫んでも返事がなくて、自分で電気つけて確かめに行くところの緊張感が伝わってきました。タイトルの「季節外れ」って、このカブトムシの大群のことなんですかね。続きが気になります!