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パスタ🍝
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耀聖(ようせい)
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1.走馬灯
ミーン ミン ミン ミン ミーン ………
(本当うるさい…)
セミが活発に鳴き出す季節になってしまった。
夏は嫌いだ。
暑いし 近所に住む子供たちも外で遊び始める、
要するにうるさいのだ。
ミーン ミン ミン ミーン ……
授業中くらい集中できるように先生達も徹底したらいいのに。
あー集中できない。
“苛々する”
「じゃあ、ここの段落を……〜〜読んでくれ」
……
(集中できない……)
……
はやく読めばいいのに。
それだけなのに。馬鹿みたい。本当に”苛々する”
「皇《すめらぎ》!!ボーッとするな!!」
(え…私?)
「……指名されたの…皇さんだよ…」
隣の席の女子がそう言う
(はあ、もっと早く言ってくれればいいのに。先生も怒鳴るより優しく教えてよ)
「ひっ……」
私が女子生徒の方をもう一度見るとその子は怯えた。
(…はあ、)
仕方なく立ち上がる
「……コロッセオとは当時の〜……」
めんどくさいと思いながらも文を読み上げる。
「おい皇!!!声が小さい!!だからお前はいつまで経っても…」
(はあ?むかつく…)
ちゃんと読んでるんだからいいじゃん。
教師も大人も嫌いだけど、こいつは特に嫌いだ。
そして勉強そもそもが嫌いだが、特に歴史が嫌いだ。
ましてや世界史なんて……
日本のことですらないのに知る必要がないと思う。
それをなんでこいつはこんなにに執着するのだろうか。
到底理解できない。
本当にこいつは嫌いだ。
そうして、頭に血が昇って言い返してしまった。
「は?そんなんだから彼女すらつくれないんですよ」
「皇!!教師に向かってなんだその態度は!!!」
“めんどくさい”
“嫌い”
“死んじゃえばいいのに”
「…保健室に行って来ます」
ザワザワ ザワザワ
同じクラスの奴らも、1人じゃ何もできない。
臆病で、群れでないと行動できない。
“本当にダサい”
いつもは私のことを空気のように扱っているのにこういう時にだけ注目する。
まるで誰かからの指示が不可欠な支配下みたい。
はあ、抜け出せた。
…そして何処へ行こうかな。
保健室に行くといったものの行くわけがない。
鞄を持ち出すのにも成功したし、このまま帰るつもりだ。
校門を出て、私の教室に向かって微笑んでやった。
勝ち誇った笑みだ。
学校を出て数分。
家の方面に向かって歩き続けた。
暑い。
改めて暑い。
暑すぎる。
今は6月。
6月の割には気温が高すぎる……
はあ、
苛々する。
どうしても涼しさがほしい……
なんせこの暑さだ。
溶けてもおかしくないほどの暑さだ。
頭を働かせ、家には帰らないが、体を涼ませることのできる場所を考える。
頭を使ったからか、余計暑くなった気がする。
「本当あっつい…」
つい口からそんな言葉が漏れていた。
その場で立ち尽くすこと数分、
学校の校則上、寄り道は禁止だが、私は悩むことなくコンビニに寄ることにした。
「使うことなんてない」と親に言われていた財布が役に立つ日が来るなんて。
今すぐ、「ほらね」と親に伝えてやりたい。
まあ、ちょうどギクシャクしているし話したくないけれど。
今日の朝、また喧嘩したのだ。
私の父は、私が生まれたときからいない。
母は20歳で私を産み、いわゆるシングルマザーとして私を育てた。
まあ、”デキ婚”というやつだ。
母は、望んでもいないのに妊娠して産んだのだから、きっと私に愛情を込めて育てたことなんてなかったと思う。
…じゃなきゃあんな風に怒れない
娘である私の頬に平手打ちなんてしない。
それもいつものように…
虐待ではないんだけどね。
コンビニに入り、買い物を済ませる。
涼むことが目的だけど、買わないのは申し訳ないし。
それに、学校の時間お昼時間の前に抜け出してきてしまったから購買にも行けていないし。
お弁当なんて私のお母さんが作ってくれるわけない。
おにぎりと水を買い、コンビニを出る。
店内と外の気温の差が酷く気持ちが沈む。
倒れ込みそうだ…
コンビニから近い私の家にはすぐ着いた。
…どうせ家も暑いよね
心は沈んだまま扉を開ける。
扉を開けると目にはソファ、扇風機、クーラー、観葉植物………
うん。普通だ。
裕福では決してないから、家賃は高くないアパートに住んでいる。
本当になんの変哲もない家だ。
住み始めてはや14年。
生まれたときから住み続けている。
外見や内面だが、ボロくはない ……と思う。
人は呼ばないけどね。
「ただいま〜……」
小さく口を開く。
もちろん返事はない。
もう慣れっ子だ。
他の家の子は帰ってきたら此の挨拶に返事があるなんて…
考えられない。
母は朝から19時ごろまで本業、21時からスーパーのパートだ。
一度戻って来てしまうんだ、と考えるだけで気持ちがさらに沈む。
もう気持ちの沼にズブズブとはまって抜け出せないようだ…
シングルマザーに関して、周りには「可哀想な子」か「腫れ物」としか見られていない。
きっと同級生には「問題児」扱いだろうな。
まあ、それは私も納得だ。
けどいちいち気にしていたら負けだ。
……よし。
寝よう。
クーラーのスイッチを入れて扇風機を回し、念の為持って帰ってきた宿題の入った鞄を床に投げ置き、ソファにかかったブランケットをかけて、寝る準備は完了だ。
クーラー、扇風機のおかげで部屋はキンキンに冷え切っているのでブランケットは必要だ。
心地よい気温の中、 お母さんが帰ってきたら怒られるかな〜。と想像しながら眠りにつく。
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「滴!!どうして寝ているの!!!起きなさい!!」
(ああ、帰ってきてしまった。ということは20時頃だろうか)
嫌だなあと思いながら渋々重い瞼を開ける。
少し視界が開けると、私の目には眉間に皺を寄せたお母さんが映った。
…怒っているなあ、と感じる。
そんなことを考えながら無言でお母さんを見つめているとお母さんがまた口を開いた。
「黙っていないでなんとか言いなさい!!宿題もやっていないで!!」
「うるさいなぁ…宿題なんかやらなくたって……」
私がそう言いかけたときに物を投げられた。
いきなりだったので、慣れている私でも避け切ることができなかった。
幸い顔面には当たらなかった。
そして何か言いたげなお母さんがさらに大きく口を開ける。
「あんたには言ってなかったけど、さっき学校から電話があったのよ!授業態度も悪くて困ってるって……提出物も提出してないみたいね!?どれだけお母さんを困らせたら気が済むの!?」
散々な言われようだ。
……全て事実だけど。
こんなに言われる理由がわからない。苛々する。
「それに、今日授業を抜け出したって!!何回目!?」
「さあ……手で数えられるくらい?」
少し余裕ぶって言い返した。
その言い方が癪に触ったのか、さっきよりも眉間の皺が濃くなったお母さんがこちらに近づいてきた と思ったら
バチンッッ………
私の頬を手のひらで叩いたの音が部屋に響き渡る。
「っ……」
強烈な一撃を喰らって、私の頬は赤くなった。
「………親失格だね」
そう言い残して、通学用鞄を力強く持ち、家を飛び出す。
お母さんは私を引き止めようとしたのか知らないけれど、私の腕を掴んできた。
もちろん強く振り払った。
顔も見たくなかったからだ。
そして夏の暗い夜を駆け抜けて、とにかく思い切り走った。
(ここまで走れば追いつかないだろう……)
来たことがない場所だったので、スマホの電源を入れ地図を開く。
その操作の中で何度もお母さんから着信がきていることに気がついた。
今更なんなの…… と思い、お母さんからの通知は無視した。
「へえ…跡地……」
ここはどうやら城の跡地らしい。
“城”という単語に なんとなく興味を惹かれて道路を渡ろうとした。
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その時だった。
ブーーッッッッ!!!!!
車の音だ!!!!!
私は焦って急いで道を渡ろうとした。
…
…
…けれど………
もう遅かった。
私は車に轢かれたのだ。
自分でも自覚があった。
不幸中の幸い、意識はあるし、運転手の人が警察を呼んでいるみたいだ。
だからきっと助かるだろう。
でも…今思えばつまらない人生だった。
別に心残りなんてない。
そう、そうだよ。
別に死んだって…私が消えたって… 変わらないんだ…
そう思ったのに何故か涙が溢れてきた。
なんで、
(死にたくない。死にたくない。)
自分の中でずっと呟き続けていた。
すると……
「アウレリア陛下!!」
「アウレリア陛下!!」
アウレリア…陛下…?
耳元で誰かが大きな声で誰かの名前を叫んでいる。
とても落ち着く声だ。
「ステラ!!」
「ステラ!!」
同じ声の人が耳元で響き渡る。
こんな時に限って誰がふざけているのだろうか。
真っ暗闇の空をただ見つめながらそう思った。
でも…
気づくと…
目を瞑っていた。
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# 美月ゆめかからの感想 🎀 うわああ第2話!めっちゃ重い展開で心臓ギュッてなったよ…😭💦 皇さんの「死んじゃえばいいのに」っていう内面の言葉と、でも事故のあとで「死にたくない」って思う矛盾……人間って生きてる限りそういうもんだよね。すごくリアルだった。 家でも学校でも居場所なくて、それでも生きてるだけで、でも最後に「アウレリア陛下」って別の呼び方されるの、めっちゃ気になる展開すぎる!!続き早く読みたい!!✨ ame . さんの描く心の機微、繊細で胸が痛くなるけど、すごく惹き込まれるよ…!次話も楽しみにしてるね🌸