テラーノベル
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はあ、ユウウツ。私の名前は月夜見紫音。元は君たちが住んでる世界にいたはずなんだけど、こっちに転生しちゃったみたい。「よぉ!紫音!」
「おはよ、翡翠」
「元気ねぇな。大丈夫か?」
「昨日のことがあって良く元気ね。」
「まぁな。」
彼は東翡翠。私の幼馴染だ。昨日の入学試験で一緒に目立ちまくった。目立とうとした訳じゃない。ごくフツーに試験を受けたら、周りが剣聖だの、大賢者だの騒ぎ出しただけ。
「あの熱狂、収まってるといいなぁ。」
「もう二度と嫌よ。あんな思い。」
「同感だ。」
「おはよ!お二人さん、朝から一緒に登校ですか。仲がよろしいことで。」
この一気にペラペラ喋ってるのは、最近知り合った友達の、悠永。名家のお嬢様らしい。たまに変な雰囲気を醸し出すことがあるんだけど、なぜだかは今でもわかんない。そういえば前、僕は生徒じゃないとか何とか言ってたような…..忘れちゃった。
「おはよぉ。悪いなふたりとも、学園に着いたら熱狂を浴びるとこになるぞ。」
この怖い予言をしてるのは、和香。悠永の婚約者、らしい。さすが名家。もう婚約だのなんだの言ってるそうだ。こっちもなんか色々言ってたような気がするけど、なんだっけ?・-・?
「熱狂を浴びるってどういうことだ….」
「ふふふ〜。それは着いてたからのお楽しみ〜」
「こっわ、」
なんてことを言うんだこの子。
「じゃあ私たちは先に行くから」
「え、ええ、」
そ、そんなぁ。一緒にいたらまだ大丈夫だと思ったのにぃ。
「行っちまったな。」
「うん、」
「おい、あとちょっとで学園に着くぞ。」
「最悪なニュースだよ。それ。」
「わぁ見て!剣聖様と大賢者よ!」
「仲がよろしいのね〜」
「ご存知?あの姫君と勇者とも仲がよろしいそうよ。」
「素敵ね〜」
「わぁ、最悪。」
「もう嫌だな。この感覚。」
「私も、どっか隠れるところないかな。」
「ないんだろうな。」
「あら、2人とも。どうしたの?」
わかってて言ってやがる。この薄情者め。
「この熱狂どうにかしてよ。」(小声)
「それは無理なご相談だね。」(小声)
まあ、さすがに無理か。この熱狂だもんなぁ。
「それより、(小声)2人とも、教室に行かないの?」
「あ、そうだ。行かなくちゃ。」
「紫音はぼ、いや、私が案内するわ。」
「あ、うん。」
〔誰もいない校舎の中。〕
「ホントバカね。さっきのは情報部にネタをあげてるだけよ。教室はこっちから行くわよ。」
あれ?ここ、教室だよね?すっごい静か。ていうか、誰もいない?
「よぉ〜。今は俺以外誰もいないぞ〜。」
「なんで?」
「それは悠永に言ってくれ。」
「ここ、空き教室だし、」
「はあ?」
「だって、紫音ちゃん、目立ってるし。」
「….魔法使って行く気だろ。」
「….せいかーい!よくわかったね。」
魔法って、ワープ?
「はいはい。集まって〜。」
ん?ワープは集まらなくてもいいはずだけど…?
「テレポート!」
はい???テレポート??ワープの上位互換じゃん?どういうこと???なんでこの子が使えるの??自分1人がテレポートするのも大変なのに、3人を??
「あ、悠永教授。また実験ですか?」
え?教授?….教授!?えええ!!!???
「なんです?教えてなかったんですか?」
「生徒じゃない、とは言った。」
「和香先輩も,教えなかったんですか?」
「学校関係者だって伝わってたらいいと思ってた。」
「なんでこういう所は,抜けてるんでしょうね。この人達。」
〔ホームルーム〕
「はい、皆さん注目。わたくしはこのクラスの担任となった、チェリー・リッチモンドです。よろしく。」
チェリー先生か。ん?あれ?リッチモンド?
「リッチモンド?」
「気づきましたか。ええ、わたくしは評議会幹部、レオナルド・リッチモンドの妹です。」
い、妹?評議会幹部の、妹?
「そんなことより、ホームルーム中に話しておかないと行けないことがあるので。話しますよ。」
そんなことで済ましちゃ行けない内容だって、
「先日の入学試験の結果、基本が全然だめのようでしたので、わたくしの兄の同僚を連れてきました。」
「先生!基本はできてます!」
「いえ、できていません。だからわざわざ評議会幹部の科学部門担当者を連れてきました。」
なんでそこまで、
「ホント、完璧主義者だよね〜チェリーちゃんって」
….チェリーちゃん?ちゃん!!!?まじで?てか普通にスルーしちゃったけど、科学部門担当者!?あの能天気で天然な悠永が!?幹部!?
「母が完璧主義なところがあったので。それよりも自己紹介できます?出来れば和香先輩から。」
「あ〜、はいはい。水月和香。評議会幹部。情報部門。最高裁判所第二裁判官。こっちじゃ1年生、特にお前らの専科とかの副担当だ。よろしくな。」
….初っ端からビックネーム来たじゃん。そんなことある?そういえば私、下の名前しか教えられてなかったけど….まさか、このために黙ってたの?
「もう自己紹介する必要ないと思うけど…..水月悠永。評議会幹部。科学部門。最高裁判所第四裁判官。このクラスの副担任兼1年の専門科目担当。よろしく。」
副担任!?え!?
「種族も言っておくか、どうせこの変装も今日で終わりだし。」
「このクラスでだけですよ?」
「わかってるよ。僕,キツネ系の妖怪だから。」
妖怪、うん、キツネだったんだ。犬か猫かと思った。
「授業を早く始めてください。」
「あ、はい。」
〔授業開始〕
「まず、エネルギーって何がある?」
舐めてるなこの人。それぐらい簡単….魔力だ。
「はい!魔力と妖力があります!」
あれ?この世界妖力あるんだ?
「まあ、そうだけどね。他にもあるよ。」
他にもあるの?まじで?そうなんだ?
「わかんない?」
・・・・・・・・・・・・・・
「わかんないかぁ…..そうだよね。魔力と妖力以外にも、霊力、気、神力があるよ。」
なにそれ、霊力ってなに?神力は聞いたこともない…..気は全く聞いたことないんだけど…..
「知らないって顔だね。まあ、気はそこらじゅうにあるからね。感じ取ることから相当な訓練が必要になるからね。」
なんだそれ。使える人いるのかよ。
「じゃあ、先生は使えるんですか?」
「( ´ࠔ`* )フフフ。混血の狐を侮ってはならんよ。エネルギー全種類使えるさ。」
「神力も?」
「……だって,神力ってほかのエネルギーと混ざるんだもん。」
まじかよ。
「それより次行くわよ!次は生命エネルギーと基本エネルギーについて!」
確か、生命エネルギーは生物が生きるために必要なエネルギーで核になってるんだっけ。基本エネルギーは魔法とかを使う時に消費されるはず。あれ?授業進んでる?
「・・・生命エネルギーの種類によって人種や種族が変わることも知ってる?・・・知らないみたいね。」
生命エネルギーに種類なんてあるの??
「生命エネルギーは生物の核となるエネルギーの総称よ。まあ、この国じゃ全員魔力が生命エネルギーだし。中央国みたいに色んな種族、人種がいる訳じゃないからね。」
中央国、フェニオスか。評議会がなかったら大陸を征服してたかもしれないって言われてる強国だ。
「じゃあ今日の授業おわり〜。」
はっや…..
「質問に答えてもらいます。なんでも質問していただいてよろしいですよ。もちろん悠永教授と和香先輩についての質問も、です。」
「おいチェリー、聞いてな….」
「生徒の知りたいことがありそうな目を無視しろと?」
たしかに、何かが気になってる子いるだろうな〜。
「あの、なんでもいいんですか?」
「ええ、NGはありません。」
「チェリーちゃんさすがに言い過ぎ、」
「じゃあ、ひとつ、悠永先生と和香先生って、兄妹なんですか?恋人なんですか?」
「…..答えなくていい?」
「教授、答えてください。」
「ええ、夫婦です。」
え?夫婦?え?ありゃ、みんな固まっちゃって…..いや当然か。夫婦って言われたらそうなるよね。どう見ても15歳と16歳だし。いや、悠永は妖怪か。
「俺たち2人とも20年以上生きてるぞ。」
「ええ!?」
20年以上…..まじで?嘘でしょ?
「正確に言えば、20〜30年かな。」
「エルフもそうですが、やっぱり人間の寿命をものさしにするにはダメですね。」
「あれは短いの権化でしょ」
「そうとも言えないのでは?100年ぐらいですよね?」
「十分短いじゃん。」
短くないよ、全然短くないよ。
「短くないですよ….」
「先生,次の質問!」
「なぁに?」
「先生たち3人の中で誰が1番年上ですか?!」
「数ヶ月差で和香。」
「え?チェリー先生が1番大人っぽく見える….」
「失礼ですね。」
「違います!チェリー先生が老けてるとかじゃなくて、他2人が幼すぎるんですよ!」
それはわかる。チェリー先生確実に18歳以上の大人の美しい女性って感じだけど、悠永と和香は15歳と16歳の学生カップルって感じ。
「次の質問!!」
「なんですか?」
「ここの試験、特に実技の内容がやばいって言われてますけど…」
「うん、とても人間の子供が無事でいられる環境じゃないけど、ここに入学してる時点で突破はできるから、魔力ギレが続出するだろうけど。」
なんだそれ。大丈夫なのか?
「それじゃあもう締め切ります。時間が無いのでね。生徒のみなさんは寮へ戻ってください。明日から本格的な授業が始まりますよ。」
-翌日-
さっき、全校集会が終わった、そして教員の発表もあった。うちのクラスと剣技科のどこかのクラス以外の人達めっちゃ驚いてたなぁ….そりゃそうだよね。評議会の幹部メンバーだもん。
-数分前に遡る-
「次は、専門科目担当の先生方です。」
「剣技科担当、メリー・ザルストです。」
「副担当のアンナ・ディアノルだ。」
「魔法科担当の水月悠永です。」
「副担当の水月和香です。」
全員、評議会幹部メンバーじゃん…
-時を戻します-
この学園は大きく2つの科に分かれていて、その2つのうちどちらかを選ぶことになります。でも試験は一緒にすることになりますね。
「月夜見さーん!試験の日時、決まったってー!」
「はーい!今行きまーす!」
入学早々試験ですか..まあ、入学試験とは違って力試しみたいなものだと思うけど…
「今から試験の日時と内容を発表します〜」
なんで悠永が?
「みんな、なんで僕がやるのかと思ったでしょ?僕たち1年の専門科目担当者が今回の試験管を担当するからでーす!」
試験管4人、おかしいな、今までの試験管は最低でも10人以上だったって記録時残ってるんだけど。
「じゃあ、説明するね。日時は2日後、13:00丁度に中庭に集合!試験内容は、学園が貼った特殊魔法の領域内で生き延びるだけ!生き残れって言っても絶対に死なないから安心してね!」
「という訳で、今日は1年生合同自由訓練です。好きに動いていいですよ。」
特殊魔法…流石魔法国内最高峰の学園…そしてメリー先生もいい声してるなぁ…あれ?何か、怒鳴り声?
「全く!こんなこともできないのか!」
「ごめ、なさい…ごめんなさい…」
「そこは、“申し訳ございませんご主人様。”だろ?」
「も、申し訳ございま((」
「何やってるの?」
「邪魔するなよ平民が。こいつは俺の奴隷なんだ。」
「はぁ?どこまで行っても召使いでしょうが!」
「月夜見さん、やめた方がいいよ、この人のお父さん、この国の大貴族だよ?」
父親が大貴族…いいとこの坊なわけか…
「親の権力振りかざして恥ずかしくないわけ?」
「黙ってろ!お前みたいな平民にはお仕置が必要なようだな!」
バカね、私。知らない子を庇おうとして、結局。
「何しようとしてる!」
なんで、翡翠がここに…。そっか、1年生合同訓練。
「出しゃばるなよ、平民風情が!」
「これ以上は見過ごせないな。悠永。」
「うん、わかってるよ。保護魔術解除。」
保護、魔術?
「奴隷発言、暴言、暴力未遂、国際法違反だ。評議会代表として、現行犯逮捕する。」
「はあ?国際法なんてパパが何とかしてくれる。」
「無理だな。評議会はたとえ相手が王侯貴族だろうと大国だろうとルールは絶対だからな。」
「え?」
「ねえ、わかる?評議会は実力至上主義。生まれは関係ないの。」
「先輩、これは、どういうことですか?」
「現行犯逮捕。奴隷所持。」
「ああ、了解です。えっと、ネラル・フォン・リルベーア。奴隷所持の疑いで現行犯逮捕します。」
…恐ろしいわぁ…まあ、自業自得なんだけど。
「もう授業は無理そうだな。先輩、授業、」
「うん、はい!今回の授業は中止!この中庭は好きにしていいけど、他の学年とかに迷惑はかけないようにね!」
そりゃ、大貴族の坊っちゃんが国際警察に現行犯逮捕されてるからね…
「紫音、大丈夫だったか?」
「うん、助けてくれてありがとう。」
(かわいい…)
「俺は何もできてねぇよ。」
(初心だねぇ…可愛いわぁ、)
-実技試験当日-
来ちゃった、実技試験当日が。パーティとかペア組んで挑んでもよし、1人で挑むのもよしって話だったっけなぁ〜。どうしようかな。
「Qu’est-ce que Te amo ?」
「Je ne sais pas non plus.」
どういう意味なんだろう。この国の言葉じゃないから全然検討もつかない。先生に聞いたらわかるかな?あっ、メリー先生だ。
「先生!ケスクセティアモ?とジュヌセパノンプリュってどういう意味ですか?」
「えっと、直訳すると、“Te amoって何?”と“私も知りません”って意味です。」
「じゃあ、ティアモは?」
「恋愛表現に使う言葉ですね。直訳は、えっと、紙に書きますから後で見てください。」
?メリー先生が言いにくい事なのかな?
「集まれ〜試験始めるぞ〜」
やべ!行かなくちゃ!
コメント
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読み終わりました!第1話から世界観がどっしりしてて、設定の厚みにワクワクしましたね。悠永と和香がただの生徒じゃなくて評議会幹部だったっていう二重構造、伏線としてすごく効いてました。「生徒じゃない」って言われた時の違和感が最後に回収される気持ちよさ。あとエネルギー体系に霊力や気・神力が出てきたのも、これからの展開を広げそうで楽しみです。奴隷所持で現行犯逮捕するシーンも、この世界の法の厳格さが伝わってきて面白かった。続き、気になりますね!
るなな
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