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fwakが雨宿りする話

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fwakが雨宿りする話

1 - fwakが雨宿りする話

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2023年05月29日

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雨宿りをするお話。





















「まんまと降られちゃったね〜。」



綺麗な銀髪をびっしょりと濡らしながらも、男は呑気に笑った。


久々に2人の都合が合い、1日中遊び尽くした日の帰り道。

突然の天気雨に降られ、仕方なく、誰もいない静かな神社で雨宿りをしている時の事だ。




「ほんと、ふわっちは呑気だね……。」


「ん〜、思わぬアクシデントも、あきなとのデートなら楽しくいかないと。ね?」


「デートじゃない!!」




2人の他愛もない会話の他には、雨音だけが静々と響く。

ふと、男が立ち上がり伸びをした。




「ふーー、よし!いっちょお参りしとくか!」


「お参りって、この神社に?」


「そ、早く雨止みますよーにっ!」




カラン、と軽快な音がして、賽銭箱に5円玉が投げ入れられた。




「えーっと、これ鳴らすんやっけ?」


「えぇ、わからずにお参りしようとか言ったの……?」


「あぇ〜、忘れちゃったわ、あきな教えて。」


「しゃーないなぁ、えっと神社は、二礼……、」




二礼二拍手一礼、2人並んで手を合わせた。


銀髪の男が願い事を終え、薄目を開けて横を見ると、相方はまだ手を合わせていた。




「欲張りは良くないぞ〜、あきな。」


「……、別に欲張りじゃないし。」


「んぇ、じゃあなにをそんなにお願いしてたの?」


「秘密!!言ったら叶わなくなっちゃう、」


「んはは、そっか。」











しばらく、2人でじっと雨を見つめていた。

不思議とこの静寂が心地良い。お互いに、そう思っているのだろうか。




「………、へっくしゅ!」


「ありゃ、大丈夫、あきな?」


「ん、多分平気……、」




「………あ、そうや!」

「前どっかで見たんだけど、こういう時は抱き合うと意外とあったかいらしいんよ!」


「……、」

「遠慮しとく……、」


「なーに今更恥ずかしがってんの、風邪引いたら大変だよ?」


「い、いやでも………、」


「いーから、ほらおいで。」




男がぱっと腕を広げる。

しばらく顰めっ面をして悩んでいたが、結局渋々と男の腕の中に収まる。




「はいぎゅーーー。」


「わわ、苦しいよふわっち、」


「え〜、でもちょっとはあったかいっしょ?」


「…ん、ありがと。」




相方の頭を優しく撫でる。まるで愛おしくて仕方がない、といった様子だ。全く、
















ほんと、仲良しッスねぇ……。
















こんなとこでバカップルのイチャイチャ見せられても、俺も困るッスよ〜。






……おっと、今のは聞かなかったことにしといてくれると助かるぜ。











空を見上げると、少しずつ雲の隙間から陽光が差していく。

きゅ、と少し眩しそうに目を細めた。











「まさに狐の嫁入り、なんてね。」




そう言って、軽い足駄の音と共に狐目の男は何処かへと消えていってしまった。











END

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