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続き楽しみにしています!
闇堕ちしておらっしゃる。!
「私は
『天使』 です。」
「は?」
言ってることがわからない。
でも、空に浮いてて人間とは言えないから、、
いいのかな。
いや、、これは私の幻覚だ。
信じちゃいけない。
私どうかしちゃったのかな。
頭でぐるぐる考えているうちに、『天使』は窓から教室の中にするっと入ってきた。着地時にはちゃんと
「とんっ」
と音がする。それで余計にわからなくなった。
どういうこと?
普通『天使』とか『幽霊』とかは触らないんじゃないの?
なんで音がするの?
はぁ?
完全に混乱状態。だって、、だってだって普通におかしいじゃない!!ふわふわ浮いて『天使』です、なんて!!
私は満足気な『天使』を振り返り、こう聞いた。
「何が、、何が目的なの?」
と。
「目的?そんなものはありませんよ。私は貴方から産まれた『天使』ですから。私は貴方の心の内だと思ってください。」
「、、はぁ、」
「貴方こそ。本当の望みがあるんでしょう?私には分かりますよ。」
『天使』はニヤリと口元を歪ませた。『天使』とは思えない、どこか黒い雰囲気を出しているような気がした。
「望み?そんなの、、ないよ。」
圧に押されて、私は後退る。
「本当ですか?」
後ずさった分『天使』は距離を詰めてきた。
「あのいじめっ子達はどうなんです?」
「い、、いじめっこ、、」
「えぇ。いじめっ子達。」
「それは、、」
手をぎゅっと握られる。
「止まる必要はありません。自分の思うままに生きればいいのです。そうでしょう?だって貴方の人生は貴方のものだから。
今度彼女らが貴方に何かしてきたら、貴方は反論すればよいのです。やり返せば良いのです。彼女らが反省するまで、痛めつけてやれば良いのです。貴方がやられたように。」
まるで洗脳されているみたいに、私の頭には『天使』の言葉がつらつらと入ってきた。
ちくっ
「いてっ。」
私が小さく叫ぶと同時に、天使は私の手を離した。私が手を開くと、そこには沢山の画鋲が置いてあった。反射的に私は『天使』を見上げた。
「復習です。貴方がされたように。先ほども言ったでしょう?」
画鋲、、、。私が虐められる標的になったことを知らせた最初のいやがらせ。下駄箱には勿論。机の中や鞄の中、椅子の上など、様々なところに置いてあった。勿論、針が上で。その日は私の手や足にちくちくと針が刺さり、ぷつぷつと小さな穴が私の体にできた。あれはあれで痛かったな。私は、画鋲が運の悪いところに落ちていただけだと錯覚していた。本当はあの時点から気づくはずだったのに。
『天使』は言った。
「今から指示しますよ。下駄箱の一番端。彼女方の机の地面。椅子の端。机の中の一番端。最後、上履きの中心部。」
「、、、!」
「履く時に見えなければいい、バレなければいい。いいですね?」
「、、、コク」
「幸運を祈ります。」
『天使』はすうっと消えてしまった。
家に帰って部屋に戻ってから、私はずっと考えた。
ふくしゅう、、フクシュウ、、復習、、。
怖い、、私の仕業だと言われたら終わり、、バレたら終わり、、。怖い、、けど。
でも
バレなければいい、、。見えなければいい、、。バレなければ、、私だとわからなければ、、それでいい。、、。
今更遅いけれど。帰る前に、私は『天使』に言われた所に全ての画鋲を仕掛けた。
あぁ
あいつら痛がるかな。
不思議がるかな。
あぁ
タノシミダ。