ちゅんちゅん、と窓の外から鳥の鳴き声が聴こえ差し込む光に目を細めながら身体を起こす。
ふと、首にあった違和感が無くなっていた。
シャル「…首輪が無い?」
青の首輪が外れていて、横に外されたまま置かれてあった。左手で首輪を取ると、キラリと薬指に何かがハマってあった。
シャル「…え?」
土台は銀色で真ん中にはシャルロットよりも濃い青、ルカと似た目の色の宝石があり、その横にシャルロットと似た目の色の宝石がちりばめられていた。
シャル「…え…は」
左手。薬指。指輪。これは日本でも、この国でも婚約者の証である。
シャルロットは顔を真っ赤にしながらゆっくりと顔に左手を近づけ、指輪にキスをした。
ルカ「そんなに嬉しかった?」
シャル「…え!?」
シャル「な、なんで」
ルカ「さっきから横にいたよ?」
シャル「…み、見た?」
ルカ「見た、やっぱり指輪にして良かった」
ルカは身体を起こしシャルロットに近づいた。そのままシャルロットを抱きしめて頭を撫でた
ルカ「自分の者、って首輪で証明するより自分の嫁、って指輪で証明した方がいいね」
シャルロットを離し向かい合って右手に何かを持たせる。
ルカ「シャルがつけてくれる?」
シャルロットに持たせたのは同じ指輪で、真ん中の宝石がシャルロットの目の色で周りの宝石がルカの、シャルロットにハメられている指輪とは逆の色合いの指輪だ。
シャル「…うん」
顔を赤くし、俯きながらルカの左手を取り指輪を通す。
ルカ「俺達の結婚でこのハッピーエンドを締め括ろう」
シャル「うん…約束な」
ルカ「約束」
もう一度シャルロットを抱きしめ、キスを唇にしようとした時、シャルロットが手で制した。
ルカ「だめ?」
シャル「だめ、じゃないけど、結婚する時がいい…」
ルカ「わかった、なら唇以外は?」
シャル「それなら…」
まだまだ赤くなっているシャルロットの顔を上に向かせ、頬、耳、首筋、喉、最後に指輪の着いている左手にキスをした。
コンコンコン、3回のノックが聞こえ、急いでルカを突き飛ばし入る許可を出した。
ロイ「イチャイチャ中ごめんね、急いで来てくれる?」
シャル「わかりまし…イチャイチャなんてしてません!!」
ロイ「その顔の赤さ、どうにかしてから来るんだよ」
(バレてるっ!
シャル「分かってます!すぐ行きます!」
ロイ「城内食堂にいるね」
シャル「はい」
シャル「ほら、顔洗いに行くぞ」
ルカ「連れてってあげようか?」
シャル「もう治ったらからいらない!」
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ゼナ「シャル様とルカ来た!」
シャル「これは、どういう事ですか?」
その場にいたのは、父に母に兄、それにゼナとナターシャとユーリにロイ、泊まって言ってないルイスとロイド、ミル。そして騎士団長。
ロート「実は、」
最後の敵、四天王レヴィが動いた。最初の敵、死体を送り込んできたと、最初は少なかったため騎士団員の浄化で行けたが、次はどんな数が来るか分からない。
ロート「大きな闘いになると思います」
シャル「この事は知れ渡っているんですか?」
ロート「いいえ、まだです、今はまだ言うべきではありません。ただ話を濁していつでも避難出来るように準備はさせています。」
ゼナ「あの、すみません…」
ロート「?どうしましたゼナさん」
ゼナ「今言うべき所じゃないと思うんですけど…シャル様ルカ…その指輪何?」
そうするとロートとロイとロイドと騎士団長以外は え? っとした顔でシャルロットとルカの左手薬指を見た。
・
・
・
「「「「は/え ーーーーーーーーーー!?!?!?」」」」
ユーリ「2人婚約したの!?」
ナターシャ「昨日はしてませんでしたよね!?」
ゼナ「てことは今日!?」
ミル「こいつらが出会ったの入学式後だろ!?」
ミル「一年も経ってないうちに婚約まで行ったのか!?」
ユーリ「そもそも付き合ってたってこと自体疑ってたよ俺!?」
シャル「ちょ、落ち着こう」
ルカ「そうそう、本題すすめなくていいの?」
ロート「先に、おめでとうシャルロット」
シャル「あ、ありがとうございます」
ロート「私の大事な息子をよろしくお願いしますねルカさん」
ルカ「勿論、あんな事には二度とさせません」
ロート「頼もしい騎士が着きましたね、シャルロット」
団長「ん”っん”ん」
騎士団長が咳払いをし、その場は静まり返った。
団長「本題を話しても宜しいですか?」
ロート「申し訳ございません、お願いします。」
団長「はい、レヴィは触れた人間の魂を抜き取りペットのように扱います、その人間の死体を操り、新たな死体を手に入れています。」
団長「騎士団にはもう警告しましたが、決してレヴィに触れられ無いようしてください」
団長「魂を抜かれた場合、魂を取り返し戻せば生き返る事もあります。でもそれはレヴィと対面する事になるので、絶対触られないでください。」
ロイ「…あのいいですか」
団長「聖人様…どうされました」
ロイ「僕の治癒は一応浄化を行えるんですが、そこまで範囲が広くないのと魔力の消費が激しいんです」
話を聞きながら誰にも聞こえない声で自分のステータスを確認する。
(ステータス
《ステータス》
シャルロット・ウィル・メルーデル
(御宮 碧)
年齢15 性別 男
闇魔法
水魔法(聖なる属性)
フェンリルの長に加護を与えている愛の神が貴方の愛に歓喜しました。貴方に加護が与えられました。
ルカの上位風精霊が貴方をルカの大事な人と認定しました、加護により風によるダメージを無効化します。
浄化の神が貴方の結末を応援し、闇属性に浄化を追加しました。
それにより闇属性(+浄化)になります
シャル「…え?」
ロート「どうしました?」
シャル「あ、いえ、なんでもないです」
(な、なんでこんなに増えてるんだ?闇属性に浄化!?
シャル「あの…」
シャル「俺、浄化使えます」
団長「…え?失礼ですがシャルロット様は闇属性でいらっしゃいますよね?」
シャル「はい、今ステータスを見たら闇属性(+浄化)ってなってまして」
団長「闇属性に浄化!?しかもステータスをご自分で見たのですか?」
シャル「は、はい」
団長「!?!?」
シャル「???」
ロート「…シャルロット」
シャル「はい」
ロート「普通ステータスは神殿でしか見られないのです、自分で見るなんてことは出来ません」
(や、やってしまった
何となく、そうかもしれないなとは思っていたけど、やはりそうだったとは、やらかしてしまったようだ。
ゼナ「ロートさん…騎士団長が泡吹いて倒れてます」
シャル「え!?そんなに!」
(泡吹くほどやばかったのか?これ他の加護の事を言ったら心臓発作で死んじゃうのでは…
後でルカにだけ言おう。
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20話 エンド 12⁄10
ついに婚約させました。とても満足です。
コメント
1件
婚約おめでとうございます!おめでたいですね!( •̤ᴗ•̤ )♡