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「……はぁ、わかった」
「……!」
あたしはパアッと顔を輝かせる。
やった! せっかくなら心霊写真撮れるまで終われませんとかやっちゃおうかな~!
とここで明澄は必死の形相であたしの肩をつかみ顔を近づけてきた。
「だけど! ぜっったいにすぐ終わらせようね!? 写真撮るまで終われませんとかナシだからね!?」
「あ、ハイ」
思考ヲ読マレテタ……。
気圧(けお)されあたしはコクコクと頷(うなず)かざるをえなかった。
しかたないね。明澄とできるようになっただけでも良しとしよう。
◇◆◇
週末の土曜日。
自室のベッドに寝ころび、スマホで動画を見ていたら、急に画面が真っ暗になった。
「あれ?」
変だな、まだ充電はあったのに電源が切れるなんて。
あたしは電源ボタンに手をかける。
しかし、何度起動させようとしてもスマホが明るくなることはなかった。
うーん、一応充電して、それでもつかなかったらお母さんに言ってみるかな。
充電器をスマホにさし、あたしはマンガを読むことにした。
────────
────
──
午前10時。
明澄があたしの家にやって来た。
ふたりかくれんぼは夜中の3時にやるものなんだけど、さすがにそんな時間に訪ねてきたら非常識だからね。表向きはおとまり会ってことにしたんだ。
玄関で明澄を迎(むか)え入れて、2階のあたしの部屋に上がる。
「荷物はそこらへん適当に置いといて」
「うん。ふたりかくれんぼに使うモノはそろってる?」
「あとはぬいぐるみだけだよ。確かこの中にあったはず……」
ドンガラガッシャーン
クローゼットを開けると大量の物が雪崩(なだれ)のように流れ出てきた。主にマンガが勢いよく足を攻撃してきて痛かった。
「…………」
「…………」
「……まずは片付けからだね」
「ハイ……」
キレイ好きの明澄がお掃除モードに入ってしまった瞬間だった。いくら片付け嫌いのあたしでもこのモードの明澄には勝てないよ。
そして明澄と片付け大会が始まった。