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真っ白に統一されたリビング。
机の上に置いてある、カフェオレが入ったコップ。
そして、私の横で寝ている白猫。
これは全て、____が好きだったものだ。
私は1か月前、最愛の夫─神楽 琉斗(かぐら りゅうと)を交通事故で亡くした。
私と琉斗は同い年で、まだ私たちは22歳だった。
なのにあの日突然…琉斗はいなくなった。
琉斗とは仕事で会った。私は、琉斗の優しさと真面目さに惚れた。
そして琉斗は、白と猫が大好きだった。
私物はほとんど白色だし、実家にも猫が3匹もいた。
私と琉斗が同棲した日、そのうちの1匹の白猫を琉斗は引き取った。
「にゃぁ~」
私は隣で鳴いた、白猫のミルクを撫でた。
ミルクも琉斗がつけた名前だった。
……琉斗がいなくなって、もう1か月か…。
私の時間は、あの日のまま止まっている。
琉斗がいない生活なんて、考えられない。
また琉斗に会いたい。触れたい。
…あの日戻って、琉斗を助けたい。
ふと棚の上のブレスレットを見る。
あれは、琉斗のお気に入りでずっと身につけていた物だった。
(何で、何で琉斗が…ッ?)
後から後から涙が溢れて止まらない。
無意識にブレスレットに手を触れると……
目の前が光って、目を開けられなくなった。