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「…兎……美兎(みう)ってば!」
!
な、何…!?
声のした方を向くと、ポニーテールを揺らした、学生服の女の子が隣に立っていた。
(ん……?この子、どこかで見た事あるような…?)
「も~、何回も呼んだんだから!でね、昨日シビ様が~…」
(!…思い出した…!)
この子の名前は、坂田 陽芽(さかだ ひめ)ちゃんだ…!
高校の時の親友で、シビ様っていうアイドルが好きだった女の子だ。
最近は会ってないのに、どうして陽芽ちゃんが…?それに、姿が昔だし……
「ねぇ、聞いてる?」
「え?あぁ~、うん!聞いてるよ」
「今日の美兎って変なの。早く学校行こ!」
「へ?が、学校…?」
「何言ってるの。これから学校に行くんじゃん」
いや、私は22歳だし…。
チラッと足元を見ると、茶色のローファーを履いていた。
(え…?)
不思議に思って体を見ると、私も高校の制服を着ていて、髪も昔のハーフアップだった。
(…どういうこと…!?)
「ほら美兎、行くよ!」
「え?あ、うん……」
陽芽ちゃんに促されて、私は不思議に思いながら学校に向かった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ガラッ。
教室のドアを開けると、高校生の時のクラスメイトがたくさんいた。
それにみんな、昔の格好のままだ。
「おはよう、美兎、陽芽!」
1人の女の子が、私と陽芽ちゃんに手を振った。
(あれ…?あの子は……)
必死に頭を回転させると、1人の名前が浮かんだ。
(そうだ、あの子は城山 瑠々(しろやま るる)ちゃんだ)
少し薄い黄色の髪をツインテールにしていて、クラスでも人気のある可愛い子だった。
「おはよ~、瑠々!ねぇねぇ聞いてよ。美兎が朝からおかしいんだよ」
「おかしい?」
「何回名前を呼んでも上の空だし、学校行くって行ったら、何で?って顔するんだよ!」
「えぇ?どうしちゃったの、美兎?」
陽芽ちゃんと瑠々ちゃん、2人から同時に顔を覗き込まれた。
(いやいや、訳分からないの私の方だし…!)
さっきまでリビングにいて、ブレスレットに手を伸ばして…そして気がついたら高校生に戻ってるし……
……ん?
ブレスレットに触ったから、昔に戻ったの…?
いやいや、そんな事あるわけないじゃん。
これは夢なんだ。
……と思ったのに。
頬をつねったら痛みを感じた。
「どうしたの美兎、頬なんかつねって」
「本当に変だよ?今日」
な、何で痛みを感じるの…!?
「こ、これって、……現実…!?」