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登場人物
劉詈
NEPTUNE
URANUS
リリー
スター
ブラック
海王星
鮠洲爾
−−−−−劉詈視点−−−−−
よっと。
よし、NEPTUNEもURANUS も
居るみたいだな。
ここはリリーの世界だ。
海王星?が元いた世界
とも言える。まああまり
関係ないが。
「おい、リリー。来てやったぞ」
「お前は…劉詈か」
「嗚呼、そうだ。」
「来たっつーことは…儂の意見は
呑まれなかったということか。なぜだ」
「神は使いにはなれない。禁忌だ」
「はあ、そうかよ」
「…え?リリー?誰と話してるの?」
「……劉詈、こいつらに
自己紹介してやってくれ。」
「は?なんでだよ」
「頼むから」
「しゃーねえなあ」
「む?リリーが二人おるんか?」
「ちげえよ。儂は劉詈。
今、海王星が居る世界の安土神だ」
儂がそう言うと、スターとブラックは
目を丸くして儂のことを見つめた。
と思ったら飛びかかってきた。
「ねえ!海王星を返してよ!」
「彼奴はオレ等の友達なんや、頼む」
と、二人は泣きそうな顔で叫んだ。
…実に良い表情だ。
儂はこれが見たかった。
「…それはできぬ。儂という神が
居るからな。」
「なんでだよ…」
三人の目には絶望の二文字しか
見えていないようだ。
良い。とても良い表情だ。
これを見に来たのだ、儂は。
「じゃあ、儂の世界の海王星に
会わせてやるよ。NEPTUNE。」
「んだあ?なんだよ、何か用か?」
「か、海王星!?」
「海王星…では無い…海王星より
表情が硬いし怖い…」
「あ?俺は怖かねえよ。多分な」
こいつ…NEPTUNEはほぼ爆発寸前の
爆弾…いや、水爆みたいなもんだ。
いつも不機嫌で、人の不幸を好む
カスみたいなやつ。
「おい、劉詈。お前今俺のこと
爆弾寸前の水爆って思っただろ。」
「バレてたか」
「当たり前だしバレバレだ」
こいつには心を読むことは出来ないが
予想することなら可能なのだ。
しかもその予想はほぼ毎回的中する。
要するに洞察力のバケモンだ。
まあ、それも努力の証だが。
んで、今回は+αでスペシャルゲストを
連れてきた。やつの名を呼ぶ。
「URANUSーー!!!!!」
URANUS。和訳すると天王星。
「なーに?劉詈。って、
NEPTUNEんんん!????」
こいつは極度にNEPTUNEを
好いている。正直気色悪い。
「は???なんでこいつが…!!」
「NEPTUNE♡会いたかったよ♡」
「俺は会いたかねえよ!」
「え、えーと?ふ、増えた…」
「どういうこっちゃやねん…」
リリー等はめちゃくちゃ困惑してるが
そんなん関係ねえ。
儂はやりたいことがあるんだ。
こいつらを利用して、面白いものを
見せてもらう。作戦はこうだ。
リリー達の見た目を全く別人の
やつにして、海王星のもとに送る。
そうすればこいつらは当然海王星を
連れ戻そうと するだろう。
だがしかし見た目は完全に他人。
海王星も知らないやつには
付いていこうとはしないだろう。
その様子を見て楽しむ。それだけだ。
あ、勿論リリー達には自分等の姿は
いつも通りに見えるようにする。
そうすれば、更に面白く なるだろ?
よし、早速作戦実行だ。
「突然だが、お前らを海王星のもとに
送る。そこでせいぜい頑張るんだな」
「は?劉詈、何を言ってるんだ?
そんなんしたら意味がな…」
「NEPTUNE♡こっちを見てよ…」
「お前はいい加減離れろ!」
「…いいのか? 」
「良いの?これで 海王星を
連れ戻せる…!」
「……まあ、頑張ろうや」
よし、良いねえ。
じゃあ、送ろう。
−−−−−−−−−−−−−−−
_集団他者異動。
−−−−−−−−−−−−−−−
シュン..
…よし、無事に送れた
みたいだな。儂はその様子を
NEPTUNEとURANUSと共に
眺めるとするか。とりあえず、
URANUSを引き剥がそう。
「…いい加減離れろ。」
「嫌だ!!」
「俺が吹き飛ばしてやろうか?」
「すみませんでした離れます」
よし、NEPTUNEのお陰でようやく
離れたことだし、良しとしよう。
さて、状況を映すぞよ。
ぽちっとな。
『え?ほんとに来たの?』
『…あれは海王星やないか?』
『ほ、本当だ!海王星だ…』
よしよし、作戦どおりだ。
『海王星!!』
『はい?な、なんでしょうか…
…何故私の名を知ってるんですか?』
『え…?』
『貴方達はどなたですか? 』
『え…どなたって…ボクは
スターだよ。それにブラックと
リリーも一緒に来たし』
『スター…?貴方が?』
『そうだよ!海王星ぃ!』
『…似ても似つきませんが。 貴方は
何の目的で此処に来たのですか?』
『そりゃあ勿論海王星を連れ戻す
ためだよ!決まってるじゃん…』
『私を?』
『海王星しか居ないよ!』
ふふ、意見が食い違っているぞ。
思い通りだ。鮠洲爾も上手くやるだろう。
『…この方達は海王星さんのご友人です。』
『え…?な、何を言っているのです?』
…は?鮠洲爾…何を言って…
『間違いありません。この方達は…
池に落ちた海王星さんを探し求めていた
スターダムさん、ブラックホールさん、
そして、リリー・ルーラティアさんです』
『…その言葉に嘘偽りはないのですか?』
『はい。妾は嘘は言いません。』
…は??何を言いやがってんだよ!?
はああああああああ!!????!
ここまで積み上げてきた伝説が!!
150年の歴史が!!
こんなクソ野郎のせいで簡単に壊される
っつーのか!?あああ!!
そんなの可笑しいだろう!赦さない!
呪ってやる呪ってやる呪ってやる…!!
その世界ごと、ぶち壊してやる…
スターも、ブラックも、リリーも…!
海王星や鮠洲爾すらも…全て…!!
『本当に、貴方達なのですね。
ああ、会いたかった。良かったです』
『それはボクたちもだよ…!』
『早く帰って御神籤引こうぜ!』
『ええ、喜んで…!』
『あと酒モ呑みタいなア』
『ソうデすね。』
『おつまミにタこヤきでモ
買っテいこウよ!』
『良いデすね。』
………あぁぁぁぁぁぁぁ!!
駄目だ駄目だ駄目だ!!
幸せになるな!クソ野郎共が!
安土神に楯突くな!クソが!
ぽん。
…は?誰だ、儂の肩に手を置いt…
「そんなにプンスカすんな。
URANUS、こいつも駄目だ。」
「わかったよぉ〜。」
「…は?」
「はーい、スイッチおん!」
「…あぁぁぁぁぁぁぁ!?」
あぁぁぁぁぁぁ!痛い痛い痛い!
痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い!!
やめてくれ!どうか…どうか………
………………………
……………………
…………………
………………
最期に聞こえた言葉は、
冷たかった。
−−−NEPTUNE視点−−−
…ようやく死んだか。
何をやっているかって?
はは、劉詈…この世代の
安土神は失敗作だっただけだ。
俺等は37代目の安土神の選抜に
失敗した。それだけだ。
だから、殺した。
不用品は壊すのみ。
いままでずっと、そうしてきた。
これからも、そうするつもり。
俺等、選抜者は…
冷酷で、無慈悲で、無心で
なければ ならない。
どの世代もそのような感じだった。
結局は役立たずしか居ない。
URANUSと俺は、そうやって
生きてきた。それが宿命だから。
そのために生きてきたのだ。
いままで、ずっと。
そして、これからも。
首の皮一枚で繋いでいるこの
命も、来年にはなくなる。
さて、次の神はどうするかな…
俺等の…命の源は。
…ところで、ここで不審に
思った君等には特別に
教えてあげよう。俺等が
どうやって生きているか。
それは…
神の心を蝕み生きる。
だから彼奴…劉詈の心には
余裕が無くなり、遂には
崩壊した。そうしたらもう
蝕み終わったということだ。
もう用済みだから、
壊して捨てる。
神は、所詮俺等の
道具 でしか無い。
滑稽だろ。
だから、心の余裕がありそうな
奴を選抜するんだ。
そして、劉詈は150年しか
持たなかった 失敗作。
首の皮一枚で繋がった俺等の 命。
いつなくなるかわからない。
それが繰り返せる限り、俺等は
生き続けられる。
良い話だ。
「…そこまでですよ。」
「…?」
…幻聴か?
「幻聴ではありません。
NEPTUNEさん。
そしてURANUSさん。」
「は?お前何故俺等の名を
知って…!!」
「それは貴方が私と同じ
存在だからですよ。」
「巫山戯るな…そんな訳…」
「ありますよ。」
「…君は…海王星…?」
「そうですよ。 URANUSさん」
何故だ…抜け目は無いはず。
それにここは無の境地。
世界と世界の狭間の空間。
「それはブラックの能力を
利用して来たんですよ。」
「何の用だ…海王星…」
「貴方達を潰してこれ以上
被害者が出ないようにするんです」
いえ、加害者もそうですかね…と
海王星は小さく呟き微笑んだ。
いや、そんなことはどうでもいい。
「俺等を潰す?簡単に出来るわけ
無いだろ、舐めてるのか?」
「いえ、舐めてはおりません。
私にはそれが出来るまでです」
…んだよ…そんなわけ無いだろ。
馬鹿なのか?こいつは。
愚か者め…
「私は馬鹿でも愚か者でも
ありません。 」
海王星はにんまりと
貼り付けたような笑顏を作った。
「貴方達、惑星ではないですよね。
恐らく悪魔の一種でしょうか…」
「…正解。俺等は惑星の名を持つ
最強の悪魔だ」
「へえ…」
「その僕等にただの一般人の
君が敵うわけ無いでしょ?」
「ほう…貴方達は何歳ですかね?」
「…四億歳だ。お前の何倍も
あるだろう」
「僕も同じ。舐められちゃ
困るんだよ。」
「へえ…ま、私は四十五億歳
なんですがね。」
「…は?」
なにを言ってるんだこの雑魚は。
そんなわけ無いだろう、
だとしたらこいつは…
「残念ですが私は貴方達の
“本家”でしてね。ええ、まあ…」
……………
「惑星、海王星でございます」
……嘘だr
バシュゥゥゥゥゥゥゥン!
−−−−−海王星視点−−−−−
…悪魔というのも呆気ない
ですね。 もう少し耐えると
思っていた の ですが。
正直期待外れです。
神を選んでるって位なら、
もう少し強くないと。
「さて、帰るとしますか。
たこ焼きも買いたいですし。」
私はそう呟き、家路に着いた。
…………………
「あ!海王星!おかえり!」
「なあ、御神籤ぃ〜」
「しつこいっ!ブラックは
一回黙れ!」
……本当に、いつも通り。
嗚呼…本当に…
本当に、良かった。
「え!?ちょ、なんで海王星
泣いてるの!?」
「は!?なんで泣くんだよ!」
「いえ…帰ってこれたことが、
とても嬉しくて。安心したら涙が
零れてきちゃいました。」
「…そっか。海王星が戻ってきて
くれたこと、ボクたちも嬉しいよ」
「嗚呼、当たり前だろ?」
「当然嬉しいに決まっとるやろ。」
「皆さん…ありがとうございます…」
「今くらいはいっぱい泣けばええ。」
「ええ、ありがとうございます。
…ですが、少し心残りですね」
「なにがだ?」
「富楽さん達ですよ。」
「富楽ぅ?誰だそれ」
…え?
「え…ほ、ほら!私と共に居た 方
ですよ!覚えてないのですか!」
「え?海王星一人だったよ」
「嗚呼、そうだったぞ?」
………一人…?
富楽さん達に…
助けて頂いたのに…
………あれ…
富楽さんって…
誰だっけ。
HAPPY END?
コメント
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え??終わり方完璧すぎません?
いやもう凄いとしか言いようが無いよ…まじで流石さばちゃんやね!最後の終わり方とかまじ好こ!