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翌朝。アッシュが昨日置いていった朝食用のサンドイッチを食べつつ身支度をする。アルヴィアン侯爵家は当主の死と引きこもり侯爵令息の存在とは裏腹に最も裕福な家の1つであり続けている。その1つが支出の少なさであるのだとは思う。父上自体がそういうところがあったのを俺も引き継いでいるのだ。だが俺が引き継いだのはそれだけではない。発明家としての才覚、優秀な魔術の腕。それもアルヴィアン侯爵家の資産額の増加に貢献しているのだ。
俺は家紋付きのペンダントをつける。家紋付きのペンダントは市場での流通が規制されているから紛失したとしても比較的安全だ。もっともこれは単なるペンダントではない。父上が残した一般に公開されなかった発明品の1つ、魔力増幅器だ。俺自身魔力が多いからそれと合わせると効果は相当なものになる。