紫side
橙くんは心の傷がとても深そうだった。ジワジワと削れて行っていたのがいきなりバンッと勢いよく崩れた感じ。直すにはしばらく時間がかかるだろう。少しずつでも笑ってくれるようになるといいな…。だいたい3ヶ月くらいで体の傷とかは完治しそうだけど…心にはそういう完治というものは永遠とない気がする。寄り添っていくからね。「よいしょっ、橙くん、今日はここで寝ようね〜。」コクンと頷くその姿にも心配が募る。すぐに目を閉じた橙くん。消えていきそうな感じが俺をより一層不安にさせる。息してるよね…?顔を近づけると、綺麗な緑色の瞳が俺を見た。「…?」という効果音がついていそうな彼に俺は必死に言い訳をした。「ご、ごめんっ!違うのっ!息してるとかなんかい、いろいろと心配になって…別に橙くんを傷つけようとか!そういうのは全然思ってなくて…」と言ってると、初めて笑ってくれた。そして、紙とペンが欲しかったらしく、ジェスチャーをした。「はい、どうぞ!」と言い紙を渡した。分かってます!紫さんや桃さん、青さんも、俺を大事にしてくれるって。あと、消えませんから笑。と書いた。俺がまた橙くんのことを見ると、ニコッと笑った。「…そっか、そうだよね!」と俺も笑う。橙くんは俺たちをこんなにもはやくに信用してくれた。俺たちは橙くんを必ず幸せにするからね。
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