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大田浩二の死体はどこかに消えてしまった。あれから探しているが見つからない。なんとなく皆、諦めている。
昭雄もあの日の夜以来行方不明だった。一応捜索願は出ているが、家族もそんなに熱心に探していないようだ。
「おかしいですよ、こんなの」
歳若い、女性の看護師が先輩に言い募っている。
「あの宮内、さん? って人には、いいかげんな説明しかしてなかった、っていうじゃないですか。あれじゃいつかは、って……。また新しい人、来るんですよね?」
「今度の人はお爺ちゃんよ。大丈夫」
「そういう問題じゃ」
「いいのよ。ここではそういうことになってるんだから。そういうふうにしてずっと回ってるのよ」
先輩看護師は尚も食い下がる後輩に優しく微笑む。そして話を打ち切った。