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「〜♪〜♪」
ブルーは鼻歌を歌いながら、すまない先生の長い髪を梳く。
「今日は水色はどうしますか?三つ編み?それともそのまま?」
「うーん、ブルーくんのおまかせで!」
「はいはい」
と、ブルーはすまない先生の長い銀髪をシニヨンにする。そして、水色の髪を三つ編みにする。
すまない先生は鏡で自分の姿を見る。
「うわっ!凄い!可愛い!」
と、笑顔をこぼす。
「相変わらず、弟は手先が器用だな。ほら、今日の朝食」
「兄貴、また辛いもんかよ」
「うるせー、大好物なんだよ。お前らの分は辛くないやつにしたから」
と、器を2人に渡し、3人は朝ごはんを食べ始める。
✵✵✵✵✵
「そういえば、すまない先生って野宿でも寝れるんだな」
「ん?どういうこと?」
そうすまない先生は首を傾げると、レッドが答える。
「初めて野宿やる人って大概慣れなくて眠れないことが多いんだよ。だから、てっきり寝不足で起きてくるかと思ったら普通に起きてきたからな」
と、話す。すまない先生は首を傾げながら、もぐもぐと朝ごはんを食べていた。
✵✵✵✵✵
しばらく歩き、街にたどり着く。
そこは、今お祭りがあるらしく、どんちゃん騒ぎだった。
「「ふぉおおおおおおおっ!!」」
「ここは、もう何万年も前に英雄が救った街で今でも有名らしいぞ・・・って聞いてないな・・・」
目を輝かせるブルーとすまない先生に、レッドは苦笑していた。
「あ、レッドくん!みて!リンゴだ!」
「あー、あれはりんご飴ですね」
「りんご飴!!」
すまない先生はキラキラと目を輝かせる。
どうやら、すまない先生が“情報”と認識していない記憶は古い順に消えてしまうらしい。
例えば、とある論文や解説などは、“情報”
思い出や大切な記憶は“思い出”認識しているらしい。
ので、すまない先生はいつも水色のノートに今日の出来事などを書き起こしている。
ただ、そのすまない先生の大切な子達についてのことはそのノートには書かれていなかった。
恐らく、書く前に記憶から消えてしまったのだろう。とすまない先生はこたえた。
「おいひい!」
「すまない先生、口元」
「んへへ、ありがと〜」
すまない先生はもひもひとリンゴ飴を美味しそうに頬張っている。口元が赤くなっており、ブルーは笑いながらその口元を拭く。恐らく彼は自分たちよりかなり大人なのに、随分子供らしく、もう1人の弟のようだ。ふと、レッドは振り向いた。
「・・・?」
「?どうした?兄貴?」
「・・・いや、なんでもねぇ」
一瞬、こちらを見ているような気配を感じたが、見間違いのようだ。こんなに人がいれば、そう感じてしまうのも無理はない。と、弟の方へと顔を向けると、
「・・・おい、すまない先生は?」
「・・・え・・・あっ!?」
いつの間にかすまない先生は姿を消していた。2人は顔を見合せ、軽く苦笑した。
✵✵✵✵✵
「・・・わぁ・・・」
すまない先生は、とある建物前にやってきた。それは、どこにでもあるような普通の建物のはずなのに、何故かどことなく懐かしい気配に、すまない先生はその建物を眺めていると、
「ん?誰ですか?」
ふと、声が聞こえ、顔を上げると、屋根に少年が居た。
少年は白い綺麗な髪に、灰色のような瞳。
何故か、彼を見て、とても懐かしいと感じた。