コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
区別
ジョシ『目黒くんカッコいい!』
ジョシ『あぁ…あんな人と付き合いたい!なんなら目黒くんと付き合いたい!』
ダンシ『目黒って本当なんでもできるよなぁ〜モテるし羨ましいわッッ笑』
ダンシ『嫌々あれは努力あってこそだろ?天性のものなんて“α”じゃない限りないってっ笑笑』
ジョシ『え?!目黒くんαじゃないの?!』
ダンシ『みたいだぞ?“β”が努力した所で周りからは冷ややかな目で見られるってのによ〜笑』
ジョシ『えぇ…αじゃないんだ…なんかショックかも笑笑』
この声が大っ嫌いだ。
小学校から中学に掛けて俺は友達がいなかった。何故かって?それは俺がβだと言う嘘が出回っていたから。
周りからは“容姿端麗”、“完璧人間”と言われていた。顔は整っていて勉強、スポーツ、行事の役員…俺はそれが全て自分の好きでやっていたこと。αだからじゃない。俺がやりたくてやっていただけだ。でもいつからだろう…誰かが俺を妬んだのか、俺がβであるという噂が学校中で広まっていった。
ダンシ『βの目黒は何してもカッコよくないんだよ!αに生まれてから出しゃばれよ!笑』
ジョシ『目黒くんカッコいいのにβなんでしょ?…付き合うってなったらちょっとねぇ…?笑笑』
別にモテたかったはわけじゃない。付き合いたかったわけじゃない。褒められたかったわけじゃない。でも否定する気にもなれなかった。俺は心底人に興味がないんだと、小さいながら知ってしまった。
高校、誰も俺のことを知るやつがいない学校に行きたくて、小中一貫の賢い学校から底辺とも呼ばれる不良学校へと進学した。ここではヤンキーなんかがいっぱいで俺には目もくれない。これが心地よかった。笑われない、比較されない、注目されない。嬉しかった。
でも、教師陣は俺に目を向ける。流れで俺は生徒会へと入った。別に責任のある仕事は苦と思わないから引き受けた。それに、こんなガバガバな学校だ。やることも至ってシンプルかつ簡単なものばかりだろうと考えていた。甘かった。
不良生徒が起こした問題処理、学校の備品損傷の確認及び再発注の仕事……他にもやることがいっぱいだ。これを俺と教師陣で回している。他にも生徒会に誰か入れろとも思ったが、流石不良学校。まともなやつが誰一人としていない。
俺は頭をかかえる日々が続いた。
阿部『目黒ごめんね、いっつも手伝わせてしまって』
目黒『別…生徒会ですし、当たり前でしょ』
岩本『こういう生徒があと最低2人ほしいな笑』
渡辺『むりむりッッ!そんなの誰一人としておらんわ!』
この人たちは特に仲が良い人。阿部先生、岩本先生、渡辺先生。生徒会に誘ってきたのもこの人たち。今考えればいい迷惑だ。
今は教師と俺、その他まあまあの良生徒と入学式の準備中。せっせと全員で会場作りだ。
目黒『ふぅ…これでいいか』
渡辺『目黒、マジありがとうもう帰ってもいいよ』
目黒『いや、まだ仕事残ってるんであと少ししたら帰ります』
渡辺『分かった、あー…16時過ぎるようなら一旦職員室に声かけに来て』
『会議とかでバタつくだろうから』
目黒『了解しました』
15時49分…
目黒『…終わり、明日俺も登校だしさっさと帰るか』
入学式では生徒会会長からの話をしてなくてならないらしく、俺は休めず。地味に長い入学式を端で座って見る聞く…そして本校生からのスピーチ。何が楽しいのか…やっていて疲れるばかりだ。
目黒『……クレープ食べたい』
俺は周りから不思議な目でよく見られる。それは主静かなのもそうだか一番は行動力だろう。頭で『これしたい』『今これが必要』『やりたい』こんな考えが1つでも浮かんだら時間問わずすぐ動く。……俺でも不思議だ。
モグモグ…
目黒『あま、おいしぃ…』
大柄な男が何をやっているのだろうと冷静になったが、知ったものかとクレープにかぶりつく。周りに人はいない。少しの喜びを出してもバレないだろうと思っていた。
…思っていたのに……
「わぁ……かわええ人やな…?」