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5ヶ月前の7日の日、八雲法律事務所で
乞巧奠が行われていた。菊の花を模した祭壇にお供えするものは決まっている。
菊乃花桃茄子唐の杯にいなりちくわに我が肉人参(きくのはなももなすからのさかずきにいなりちくわにわがにくにんじん)
捧げ物さえ歌のように口の端に登る様は風雅な儀式であることを強調するかのようだ。
この日に限っては八雲法律事務所の女性陣は皆暇を与えられる。厳粛な儀式は女人禁制であるためだ。
祭壇を囲む束帯姿の人間の中に、乞巧奠の開催者である山岡裕明は鎮座する。
荘厳な雰囲気の中で山岡は和歌を披露する。
「益荒男の漢の証を勃て奉り溢るる精の白きことかな」
山岡が和歌を詠みあげると、参加者は一斉に己が屹立した物を取り出し向かい合い一心不乱に扱き上げ、互いの間に白い線を挟むかの如く白い精を解き放つ。
その白い筋を天の川に見立て
受け止める方を織姫に、攻め込む方を彦星に準えるのだ。
狩衣姿の男たちがマラの先に紐を通し和歌を書き記してある短冊を括り付け
気に入った男に送り合うのだ
衣ずれの音と嬌声だけが事務所で響き合う。
そうして夜は更けていくのだ。
翌日から事務所では何事もなかったかのように仕事が始まる。
女性陣たちはここで何が行われていたのかは何も知らない。