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「なっ…なぁっ!?」
突然やけど、困惑の声をあげたそんな俺の経緯を聞いて欲しい。
身に覚えのない宅配の通知が届いて、マンションの宅配ボックスを開けてん。差出人は某密林のセンター名。
なんか頼んだか?購入履歴を見てもそれらしいものは見当たらん。メンバーや事務所からの発送なのか、はたまた誤配か詐欺かも分からないまま、一旦部屋に持ち帰ってん。
とりあえず中身は確認するか。そう思って開封した後のこの反応なわけなん。こんなん届くのは誤配も考えたけど、一瞬だけ…唯一送ってきそうな奴が思い当たって。
「なんちゅうもん送ってきてんねん!?めめぇ!お前やろ!?」
そう叫んだ時、タイミングを待ち侘びていたように尻ポケットに収めていたスマホが着信を伝えて振動する。名前を確認したと同時にツッコミのフラストレーションが溜まりきった俺は即座に応答した。でも、
「めめ、おまっ…、」
『康二?荷物届いた?』
半笑いでも耳障りの良い低音を聴いた瞬間、一気に解きほぐされてしまって。
「………っんぐ、ぅ…。」
そう呻き声に似た声をあげることしかできなかった。
『中身、見たんだ?』
「見たからこそのこの反応なんて…何これ。」
『えっ、グラドル見る人なのに知らないの?』
そう…これまで敢えて伏せてはいたから、今ここで初めての開示となる。届いたものは所謂──その、一般的には主に女性が使うようなタイプのオトナなオモチャで。
俺の反応を楽しんで喉奥を震わせて笑う声にも魅力を感じてしまう俺とその恥を振り切るように、あくまでシラを切る彼に対してできるだけの全力で畳み掛ける。
「っだあああ…!これはもうグラドルの域ちゃうやんか!十二分に超えてきてんねん!そもそも何で送ってきてんって話!!」
それでもめめは靡くことなく。…その反応は解ってはいたけど。その回答が、
『だって康二…あったらどうせ使うでしょ?』
まさに図星を突いてきて。
「っ…ゔぅ…使うけどぉ…。」
…当たり前やん。多忙を極めてるパートナー相手やとそら寂しくもなって、1人せっせとソロプレイくらいしますわ。
「──いやちゃう、そうやなくて!!」
あっぶな、今一瞬めめのペースに丸ごと流されかけたわ。それでも、『これ』を見てしまって且つ嬉しそうでも楽しそうでもある彼の声が耳元で響く度、腰元がずくりと疼いてしまうのは…きっともう──…。
それでもあくまで今の雰囲気に流されないように耐える中、ふと俺は1つのことを思い出し、通話主に対して疑問を投げかけた。
「、…そういえばめめ!撮影は大丈夫なん?今撮ってんとちゃうの?」
『大丈夫だからこうして電話してるんじゃん?使う予定だったスタジオの番組収録が結構押してるみたいでさ。今楽屋、に…あ。』
説明の途中で何か思いついたように声をあげるめめはすかさず続ける。
『折角だから今それ使ってみてよ。』
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「──へっ?ん?」
『今、リモートにするね。』
提案の意味に俺の理解が追いつかないまま、耳元に添えていたスマートフォンを見たその時。有線イヤホンを耳にした恋人の顔がパッと表示されて。
「!?なっ…えぇ!?」
『康二?ほら、ちゃんと見えるようにスマホ置いてさ、…早く見せて?』
いつもの笑顔を浮かべてくる彼。 …俺は1日在宅とはいえ、めめは今楽屋。やし、こんなやり方は正直めっちゃ恥ずかしい。
(どないしょ…でも、)
そんな思考は刹那に終わって、最近ご無沙汰だったということを理由にし、俺は尚も込み上げてくる性欲に従順でいることを選び、こちらからのリモート通話ボタンをそっと押した。
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