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朝、心地よい風を感じながら学校へ向かった。今日は気分がいい。早起きし、朝ごはんをいつもの倍食べ、余裕を持って学校に行けるのだ。

今日が終わったら、明日からは夏休みなのだ。

そのため今日は午前中で終わる。つまらない国語の授業を受けなくていいと思うと安心する。



学校には4年2組で一番乗りで着いた。周りの生徒もまだいない。まさかと思い全学年の上履きを見ると、全員上履きが入ったままだ。俺が学校で1番に着いた生徒か、と誇りに思った。

階段をあがり右へ奥に進んだところに4年2組の教室がある。最初は3年生の教室とごっちゃになったが今は慣れた。階段を上がり、右の奥の教室に行こうとした時、誰かの声がする。

小さくてよく聞こえないが、先生か?

その声は階段をあがり左の奥の教室から聞こえる。左の奥の教室はコンピュータ室だったはず。そもそも生徒だけで立ち入るのは禁止だし、やはり教師なのか。でも、そんなとこから?コンピュータ室は授業でも道徳や総合の授業でしか使わない。なんなら、俺は入ったことがない。とりあえずコンピュータ室に興味があった俺は、こっそり中だけ覗いてみることにした。コンピュータ室の前には「姿勢を正そう!」と上に書いてある大きな鏡がある。その鏡に、赤いTシャツに短い短パン、黒いランドセルを背負い、しゃがみ、コンピュータ室を覗こうとしてる自分が写る。そんな鏡は無視し、中を覗いたが、誰もいない。でも声は聞こえるのだ。クーラーも付いていて、誰かはいる。けど、姿がない。誰もいないのにクーラーはもったいないと思った俺はコンピュータ室に付いている、パソコンの機械や、コンピュータに関することの資料などが置かれている部屋にクーラーのボタンを消しに入った。次の瞬間、俺は目を疑った、ドアを開くとそこには、白いTシャツが顔の方までめくれていて、ズボンや下着を身につけていない細い下半身、細長い机の上に寝っ転がっている子の細く白い手を抑える大きくて日に焼けた色の手、ズボンを脱いで腰を振るスーツ姿の男の人。ドアをゆっくり開けたおかげであちらには気づかれていない。俺は口に手を当て、少しドアを開けた状態でしゃがんでいた。

あの子は誰だ?そして、ナニをしていた?

頭が混乱しているとあちらの声が耳に入ってきた。

「ん…はぁ、あっ…」

「あんっ…っっ…」

「あ、はぁっ…」

「だんだん、慣れてきたようだね。柔らかいよ」



確信した。あの子は大水くんであの人は俺の担任だろう。実際うしろ姿しか見ておらず、顔までは確認できていないが、声を聞いてわかった。俺が大水くんの声を聞き間違えることは無い。絶対に。俺はその場を静かに立ち去った。





とりあえず、反対側の右の奥の教室に入りランドセルから荷物を取りだし昨日放置した宿題を提出するために、宿題をした。まだ教室には3、4人しか集まっておらず、静かだった。

俺が教室にはいって20分くらいしてから、クラスのほとんどの生徒が友達と話したり、バカ騒ぎしている。そして、ドアが開き後ろから足音が聞こえる。

「おはよう」

相変わらず首に絆創膏をつけていて、ふわっと甘い匂いがする。そして、乱れたサラサラの黒髪。上がる息。大水くんだ。でも今日は、違う、たまにあるあの匂いは事を終えたあとの匂いだったのか。大水くんからはタバコの匂いがする時がある。あの先生の匂いだ。俺はこの匂いが大嫌いだ。

「うん、」

こうとしか、話せなかった。この日は午前中で終わり、国語の授業がないのに、重くなった。


放課後、大水くんから話しかけてきた。また、最後の2人きりになった時。

「ねぇ、岡本くん。今日、どうしたの?なんか、やけに冷たくないかい?」

「別に。気分が悪いだけ。」

「そうなのか。明日から夏休みだから岡本くんには会えないけど、気分良くして夏休み明け、また一緒にお話しようね」

大水くんが俺に近寄り、首に手を回そうとした。

「近づかないでくれ!」

咄嗟に大きな声が出た。大水くんは動きを止め、目を大きく開いている。綺麗な瞳だ。

「ど、どうしたの?」

大水くんからはあいつの醜いタバコの匂いがする。

「あのさ、朝のなに。」

俺は、大水くんに聞いた。本当は聞きたくないけど、聞かなければならない気がした。

「朝?なんのことかな?」

「隠すなよ。見たんだ、大水くんが先生とナニかしているのを。」

「…」

「何とかいえば?先生とはどういう関係なの?」

10秒くらい下を向いて、動かない大水くん。だが、ようやく口を開いた

「先生とは、肉体関係。僕は初めてあった時、急に押し倒されて色々された。それからこんな関係が続くようになった。僕も別に嫌な訳ではなかったからね。」

「じゃあなんで俺とあんなことしたの。」

「正直あんなおっさんのキスとか気持ち悪い。ただ、近くにいた君と同級生のキスってどんな感じなんだろうって思ったから、初っ端キスはやでしょ?だから嘘でスキンシップを取りながらって感じ」

「嘘でスキンシップって?」

「幽霊が見えるってこと。あんなのただの冗談だよ。僕がついた嘘さ。そこまで信じてくれると思ってなかったけど。」

「有栖川さんのことは?どうして知ってたの?お金持ちとか」

「あれは、僕のお父さんの職場の社長が有栖川さんのお父さんだからね。たまたまだよ。それに三上くんのことは昔から知っていたし、幼稚園がたまたまおなじだったから。雪乃さんのことはほんとにまぐれ」

「騙していたんだね。俺の事。」

「まぁそういうことになるね」

「俺は本気だったよ。いつ、許可なくチューやハグができるんだってワクワクしてたよ。」

「そっか。ごめんね」

「今思えば、大水くんはたまにタバコの匂いがして、息が上がって、髪がボサボサだった時あったね。それは先生と会ってたんでしょ?その首の絆創膏も」

「うん。正解。首は変な跡付けられちゃったからさ、絆創膏でかくしてるの」

「俺は、そんな大水くんが大嫌いだよ。」

「わかってたさ、こんな関係壊れること。さっき夏休み明け、また一緒にお話しようねって言ったけど僕は夏休み明けもうこの学校にはいないし」

「転校するんだ」

「そう。」

「じゃあ最後にお願いがある」

「どうしたの?」

「俺は大水くんの事情を詳しく知っちゃった。そのお礼をしなくちゃだよね。」

「ん?」

「俺を襲って。大水くん」




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