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及川さんの彼女誰かなぁあ、彼女ではないということは、デュフフ(〃°Д°〃)デュフ…
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「岩ちゃん、トビオに告られたんだってね?」
後日、なんと及川のもとに、影山が俺に告白した事件が伝わっていた。
「…おう」
昼飯の途中ではあるが、気まずくなって別の場所へと視線を逸らす。
「…フったんだってね?」
「…おう、」
「なんでフったの!?!?」
「は、?」
こいつの言っていることが予測不可能すぎて頭が混乱する。
なんでフったのか?そんなんお前のために決まってんだろ。
「は〜??意味わかんないんだけど」
「いやこっちのが意味わかんねぇよ」
不貞腐れたように、ぶすーっと拗ねた顔をした及川。
そして、俺に聞こえるか聞こえないかぐらいの声で唸りながら、視線を俺の顔から前に向けた。
「だって、岩ちゃんトビオのこと好きでしょ?」
「んなっ…ことねぇよ」
見抜かれていたことに動揺してしまった。
「俺もう彼女いるし」
「は?」
こっちの方が動揺する。
というか今更何してくれてんだこのクソ川。
「…なら、影山は俺がもらってもいいんだな」
「どーぞっ、及川さんにはもうかわいい彼女いるんで〜」
及川は、先程から微動だにしない。
「女できるの早ぇな、お前」
「女じゃないし…」
呆れていた俺にボソッと言い返されたが、ほとんど聞こえなかった。
「…まぁ、おめでとーってことでラーメン奢りな」
「え!?ちょっとー!!?」
こうして俺らは、また、いつも通りのリズムに戻っていく。
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「あ、影山…」
「…い、岩泉さん、」
気まずいのだろうか、影山は、目線を斜め下に向けた。
「…及川、もう彼女いた」
「え、?」
やっぱり誰しもそうなるよな、なんて。
そう納得してからの時間の流れは早かった。
「もし…もしな、お前が俺のことまだ好きでいてくれるなら、俺と…その……コイビトになりたいって思ってくれてるなら」
こんな、何のために何をしてるのかもよく分からないまま生きている、最低な俺だけど。
「俺と、付き合ってください。」
よかったら、君を俺にくれませんか。
「…もちろん、です、!」
「泣くなよ、」
声が震えているのは、自分でもわかる。
「岩泉さんだって泣いてるじゃないですか…!」
涙を指で拭ってみる。
はじめ触れてから、こいつの肌は、こんなにやわらかいんだと実感するのに時間はかからなかった。
「……ばっか、言うな、」
影山が胸に飛び込んできて、背中に手が回るのを感じた。
「ふへ、」
俺も抱きしめ返してみたり、片手を頭の上に乗せてみたりした。
「っかわいい…」
「かわいくないですっ…!」
「んふ…」
抱きしめられる力が少し強くなった気がした。
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