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龍聖君……
もしわがままを言っていいのなら、私はずっとこのまま龍聖君の側にいたい。
あなたの笑顔を毎日隣で見ていたい。
そんな思いを胸に抱きながら、気づいたらテーブルに伏せたまま眠ってしまっていた。
***
次の日から、私は毎日仕事を終えた後、龍聖君に会いにいった。
面会時間ギリギリまでのほんの短い間だけれど、そのくらいの方が龍聖君の体のためには良いと思った。
とにかく、絶対に負担をかけたくなかった。
昼の間、軽く仕事はしているけれど、青山さんの配慮で必要最低限なものだけにしてくれていた。
龍聖君にすれば少々物足りないみたいだけれど。
側にいても、なるべく龍聖君を疲れさせないように気をつけた。黙っている時間も、話している時間も……2人きりでいられることが何より嬉しかった。
そして……
退院の前の晩、龍聖君は言ってくれた。
「琴音。今度の土曜日『リベルテ』に宿泊しよう。心配かけたお詫びに……2人きりでゆっくり過ごしたいんだ。お前の好きなもの、いっぱい食べよう」と。
「本当に? 嬉しい、すごく嬉しい。甘えても……いいのかな?」
「当たり前だろ」
龍聖君からの思わぬサプライズ。
心の中が喜びの感情で満たされ、子どもみたいにワクワクした。
毎日多忙だった龍聖君と、2人きりで「リベルテ」で過ごせるなんて。この前焼肉に行って以来のお出かけ、すごく待ち遠しい。
「琴音」
龍聖君は、私を引き寄せた。
病院のベッドの上に座り、龍聖君は軽くキスをしてから、私を抱きしめた。
「本当にごめん。俺は、世界一バカな男だ。琴音を不安にさせて」
「バカじゃないよ。バカじゃないけど……でも、本当に今まで生きてきた中で1番不安で、心配だった」
「……これからはもう、絶対に心配かけないようにする」
龍聖君の腕に力がこもった。
まだあちこち痛いはずなのに……
「傷が開いちゃうからダメだよ。離して」
「あと少し。あと少しだけこうしていたい」
私は、龍聖君の胸に顔を埋め、抱きしめられてることに現実を感じた。
本当に……この人は生きている。
生きて笑ってくれているんだ。
龍聖君……
私はあなたのことが大好きだよ。
世界中で1番、愛してるから。
コメント
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早く治りますように