その日の夜。
私はいつも通り自主練をしていた。
(外の景色...か)
練習しながらずっとそのことを考えていた。
私は生まれてからずっと冒険一筋で生きてきた。
将来の夢はずっと冒険家だった。
でも、こんな広い世界を知らないなんて。
きれいな夕焼け、誰にも邪魔されない宇宙、銀河の果まで行こうと思ったら行けるのに。
世界旅行だってすぐ行ける。
そんな極楽も知らないなんて。
私はシャイナが可哀想に思えてきた。
(よし。今度、ゼルとシャイナのお母さんに会って、説得しに行こう!)
私は、シャイナを救いたかった。
広い世界を、堪能させてあげたかった。
ただ、それだけだった。