コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
残り二人。
「くらげが捕まっちゃったみたい」
「えぇ…」
二人は森の奥深く。さぁ、紅真はこんなところまで来るのだろうか…
「あの人ってさぁ、背が高いでしょ?だから人探すの得意なのかなぁ?」
「そうかもね…」
たしかに、紅真の身長は3mほどもある。
しかし、身長よりも、彼のキメラとしての才覚…のようなものが何かあるのかもしれない。
「あれー?どこやー?」
「来たっ」
紅真の声がだんだんと近づいてくる。
「ここらへんはよく散歩してるから、慣れてるんやよなぁ」
「嘘でしょ」
紅真は森に入り、辺りを見回す。
二人は、息を潜める。
「おかしいなぁ。気配はするんやけど。んんー?」
紅真が二人が隠れている場所を覗く…!
「みぃつけた」
「あぁー!」
「なんかスリルあった!!あれ?くらげは?」
「もっと前に捕まった。付き合ってられんって、川に潜っちゃったわ」
「えぇー」
これが、里奈にとって隠世での最後の夏になることを、彼女たちはまだ知らない。