TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
シェアするシェアする
報告する

「いやぁ〜、秋だねぇ」

そう、季節は秋。

鮮やかな緑色だった木々の葉っぱは、紅葉…赤色に染まり、とても綺麗だ。

「あのな…勝手に人の家で景色を堪能しないで欲しいんだが」

「えぇー?だってここからが一番よく見えるんだもの。ね、霜月、里奈」

「はい!とっても綺麗です」

「標高が高いしな」

この屋敷は、鳥養朧(うかいおぼろ)という鴉天狗のものである。

「あと彩、お前姿が幼いから…ちょっとトラウマが…」

「…あら。今日は妹さんとお姉さんは?」

「出かけてる。おかげで気が楽だ。まったく、あいつらときたら」

「あらあら」

彩が三白眼を細める。面白そーうに朧を見ている。

「あ、霜月。新しい仕事ないか?できれば戦闘系のやつ!」

「…相変わらずの戦闘狂だな」

「もうすぐハロウィーンだろ!魔力が強くなる日なんだから気をつけないと」

「そんなのがあるんですか?」

里奈が首を突っ込む。

「そう。現世でもあるでしょう?私たち妖怪の魔力が一年で一番強くなる日。種族関係なくね。気をつけなさいよ?」

「へぇ…」

里奈がなるほどとうなずく。彩は朧に向けていた三白眼をにこりと細める。

「ああ、そういえば…なにか困ってることがあるって言ってなかったっけ、朧」

「え?ああ…そうなんだよ。落ち葉がさぁ…」

「?」

朧がはぁ…とため息をつく。

「いやぁ…最近森を荒らす奴がいてさぁ…片付けても片付けても元に戻んないんだよぉ」

「妖怪?小さな子供かしら…?」

「いや…姿は里奈ほどだ。んで、妖狐らしくてなぁ…半人前で、耳と尻尾を隠せないようだったな」

「それって…」

「まさか…」

琴葉なのでは…、と里奈が言い出そうとしたとき、突然…

キィィィィィィ…

木をなぎ倒す音が聞こえた。

「森の方から聞こえるわね…まさか」

「行ってみよう」

と、前を歩く朧の顔は、言動とは裏腹に、青ざめており、ガタガタと震えている。

過去のトラウマからだろうか。

「彩…すまないが、すこし離れてくれないか…?」

「はいはい」

彩は呆れるように後ろへ下がる。

さぁ、森を荒している(現在進行形)犯人は誰なのだろうか…


「ここのはずだ」

「あぁ…」

「里奈ー!こんなところで何してるの?」

「琴葉ぁ…」

「?」

琴葉は何も知らずにらんらんとしているが、反対に里奈は青ざめた顔をしている。

「森を荒らしてたのって、琴葉?」

「え?違うよ?ほら、あそこにいる…」

琴葉が指を指す。全員がそちらの方向をゆっくりと見つめ…

そこにいたのは。

「え?狐…?」

「そう!小狐たちがいたずらしてたのー私は注意してやめさせよーとしてたんだけどね?」

「あぁ、なるほど…」

そういうことか…と、全員が納得する。

きっと、朧は琴葉と小狐を見間違えたのだろう。どちらも狐であるし。

「お前らー!!今すぐここから出て行けーっ!」

朧が拳を挙げて怒る。

「天狗って大変なのね〜」

「森の管理もしているし…」

「あはは…」

そんな彼らの足元には、紅葉が落ちている…

loading

この作品はいかがでしたか?

38

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚