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俺の彼氏は世界一

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俺の彼氏は世界一

11 - 第11話  番外編

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2025年08月05日

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番外編

「俺の彼氏はメガネくん」


ガッチマン×牛沢


キヨとレトルトの裏側でこの2人もまた

運命的な出会いをしていました。

いつもクールなうっしーと優しいのにたまに毒舌なガッチマンの恋の物語。


スタートヽ(*^ω^*)ノ




親友のレトルトの恋人(俺は認めてない)のキヨが作ったアプリがダウンロード数一位になったとかで俺とレトルトはパーティーに参加してる。

しかし、あのキヨという男。

いけすかねー野郎だ。

レトルトはキヨにお熱みたいだが、俺は絶対認めないからな。


煌びやかな照明に、格式あるホール。

天井のシャンデリアがきらきらと揺れるたび、非日常が音を立てて広がっていく。



「……なんか、場違いなとこ来ちゃった感じだね」


レトルトが落ち着かない様子で笑い、うっしーが小さく頷く。

キヨの功績を讃えるパーティー。

名だたる面々が一堂に会し、祝福と称賛が飛び交っていた。


そんな中、うっしーは冷静を装っていた。

スーツに身を包み、グラスを手に立っている姿は絵になる。

けれど、その内側は少し違った。


「俺ちょっと飲み物取ってくるわ。すぐ戻るからちょっと待っとけ 」


そう言って、レトルトの隣からそっと離れる。




騒がしい歓談、カメラのフラッシュ、煌びやかな照明。

誰かの笑い声がこだまして、拍手が天井に吸い込まれていく。


(はぁ。ちょっと疲れたな)


飲み物を持ったままバルコニーに出ると、夜風がふわっと肌を撫でた。

さっきまで張り詰めていた肩が、ほんの少しだけ楽になる。


レトルトを心配させないように平然を装ってはいたがこんな人がいっぱいいる場所、本当は得意ではなかった。

それを紛らわす為、飲み慣れていないアルコールを必要以上に飲んでしまったからなのか

1人になった途端、頭がぼんやりして足元がふらつき始めた。


すると、背後から突然声がする。



『こんばんは』


その声に驚いてしまったが、一瞬でいつもの牛沢モードに切り替える。


「こんばんは。アンタはキヨの隣にいた…」


『秘書のガッチマンと申します』


「あぁ、そんな名前だったな。俺は牛沢。

で? なんか用?」

うっしーは冷たく遇らう。


『いえ、ちょっと人混みに疲れてしまって外の空気を吸いに出て来てみたら、綺麗な人が立っていたので….声をかけずにはいられませんでした』


ガッチマンは笑顔で答える。


「きっ….綺麗って。バカじゃねーの?男にそんな言葉言わねーだろ、普通。」


初めて言われたその言葉にいつものクールな姿はなく顔を真っ赤にして目が泳ぐうっしー。


そんな姿をみて、またニコリと笑うガッチマン。


(こいつ…何なんだよ。俺に綺麗って。しかもなんでずっと笑ってんだよ)


下を向いてブツブツ呟いていると 足音もなくガッチマンは うっしーに歩み寄った。

顔を上げると目の前に突然ガッチマンがいて

びっくりした拍子に重心を崩してしまった。


『おっと!』


身体が後ろに傾いたその瞬間、すっと腕が伸びて、しっかりとうっしーの腰を支えた。


『危ないよ』


その低い声が、耳元でささやくように届く。


気づけば、ガッチマンの腕の中にいた。

予想以上に近い距離。

背中にまわされた手と、支えられた腰から伝わる体温。

そして、見上げた視線の先には、思っていたよりずっと近いその顔。


目が合った。

ふいに、お互いの時間が止まったような錯覚におちいる。


「……は、離せよ…. 」


顔を真っ赤にして小さくそう言って視線を逸らそうとしたうっしーの顎を、そっと指先が触れた。


『本当に….綺麗だ』


ガッチマンの声は、優しいのに、どこか強くて、逃げ場を塞がれる。


心臓が、音を立てた。

どきどきと煩いほどに高鳴る鼓動。

それを悟られたくなくて、でも視線を逸らすこともできなくて。


近い——いや、近すぎる。

どこを見ていいのかもわからないほどの距離。

その目、その顔、その息遣い。


ちゅっ…



一瞬、何が起きたのかわからなかった。

けれど、触れた感触はやわらかくて、温かかった。


驚きも、戸惑いも、羞恥も、全てが一気に押し寄せてきて、

息をするのも忘れてしまいそうだった。


男同士。

しかもさっき会ったばかりの奴。

そんなこと、ありえない。絶対ありえない。


……でも、目が離せない。

なんだ、この気持ち。分からない。

心臓が、壊れるほどに鳴ってるのに、

でも、嫌じゃない。




唇が離れた後も、鼓動の音は止まらない。



うっしーはうつむいて、どうにか顔の熱を隠そうとするけど、

ガッチマンの手が、そっとその頬に触れて、やわらかく笑った。


『このまま2人で抜け出そっか』


低くて落ち着いた声。

けど、その奥にはどこか熱を帯びた、抑えきれない衝動が滲んでいた。


「….え!?」


返事をする暇なんてなかった。

気がついた時には、ガッチマンの手がうっしーの手をとっていて、温もりと共に、ぐいと引かれていた。


「ま、待っ……おい、ガッチさん……!」


『しー。静かにしないとバレちゃうかもよ?』


いたずらっぽい笑みを浮かべて、くいっと手を引く。

うっしーは小声で文句を言いながらも、なぜか抵抗できなかった。


人混みの会場をすり抜けて、裏口から外へ出る2人。



会場の光を背にして、ふたりはゆっくりと歩き出す。



つづく




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コメント

2

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こちらも描いてくれるなんて、、神ですか!?

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