「」空
『』散兵
“僕自身の意思”?
つまり、博士の実験体にならずに済む?
少しだけ、安心してしまった。
今は、安心などしてる余裕もないはずなのに。
『今、少し安心したでしょ?ははっ、僕がいる理由も分からないなんてね』
「理由?」
確かに、何故散兵が居るのだろう?
監禁する理由はなんだろう?
僕自身の意思、と言っていたけれど、どういう意味だ?
『まぁ、それを今知る必要はない。』
『じゃあね、また来るよ。』
バタン。
また一人になる。
窓から見える太陽が羨ましい。
ここは太陽にも見向きされない。
あの太陽に触れてみたい。
ベットに寝転がって、太陽を見ていると、瞼がだんだん重くなって眠ってしまった。
瞼を開けると、また同じ部屋にいた。
夢ではなかった。
起き上がると、ご飯が用意されていた。
しかも散兵もいる。
『おはよう。君の敵が居るのに、ぐっすり眠ってられるなんて。』
『さぞいい夢を見てたんだろうね?』
彼の声が寝起きの頭に響いて、頭痛がする。
『君の為にご飯を用意してあげたんだ。ほら、あーん。』
散兵はスプーンを持って、俺の顔の前に差し出す。
恋人ではないのに、何故こんな事をするのだろう。
「…要らない。」
敵が作ったご飯なんて、食えるものか。
『遠慮しないで。早く。ご飯が冷めてしまうだろう?』
散兵はスプーンを、俺の顔にまた差し出した。
今お腹が空いているが、それでも食べたくない、と顔を背ける。
散兵の逆鱗に触れたのか、顔を掴んで、無理矢理口の中に入れられた。
『僕は君にちゃんと食べて欲しいなぁ?』
散兵は何がしたいんだ?
俺に何をさせたいんだ?
『僕はもう行く。また会う日まで、楽しみにしててね?』
扉が閉まり、ここに残ったのはご飯と俺だけ。
何時までこんな生活をさせられるのだろう。
放浪者と散兵だったら散兵の方がクソガキ感あって好きです
後半変かも
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