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散空

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散空

2 - あたたかいごはん

♥

15

2024年09月25日

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「」空

『』散兵


“僕自身の意思”?

つまり、博士の実験体にならずに済む?

少しだけ、安心してしまった。

今は、安心などしてる余裕もないはずなのに。

『今、少し安心したでしょ?ははっ、僕がいる理由も分からないなんてね』

「理由?」

確かに、何故散兵が居るのだろう?

監禁する理由はなんだろう?

僕自身の意思、と言っていたけれど、どういう意味だ?

『まぁ、それを今知る必要はない。』

『じゃあね、また来るよ。』

バタン。

また一人になる。

窓から見える太陽が羨ましい。

ここは太陽にも見向きされない。

あの太陽に触れてみたい。

ベットに寝転がって、太陽を見ていると、瞼がだんだん重くなって眠ってしまった。



瞼を開けると、また同じ部屋にいた。

夢ではなかった。

起き上がると、ご飯が用意されていた。

しかも散兵もいる。

『おはよう。君の敵が居るのに、ぐっすり眠ってられるなんて。』

『さぞいい夢を見てたんだろうね?』

彼の声が寝起きの頭に響いて、頭痛がする。

『君の為にご飯を用意してあげたんだ。ほら、あーん。』

散兵はスプーンを持って、俺の顔の前に差し出す。

恋人ではないのに、何故こんな事をするのだろう。

「…要らない。」

敵が作ったご飯なんて、食えるものか。

『遠慮しないで。早く。ご飯が冷めてしまうだろう?』

散兵はスプーンを、俺の顔にまた差し出した。

今お腹が空いているが、それでも食べたくない、と顔を背ける。

散兵の逆鱗に触れたのか、顔を掴んで、無理矢理口の中に入れられた。

『僕は君にちゃんと食べて欲しいなぁ?』

散兵は何がしたいんだ?

俺に何をさせたいんだ?

『僕はもう行く。また会う日まで、楽しみにしててね?』

扉が閉まり、ここに残ったのはご飯と俺だけ。

何時までこんな生活をさせられるのだろう。


放浪者と散兵だったら散兵の方がクソガキ感あって好きです

後半変かも

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