第2話:焔理、動く
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星刻印――
空から降るように現れ、人々に“天の理”を刻み込む謎の印。
それが再び現れたのは、北辺の地。
命を拒む氷原にて、異常な熱と光が発生したという。
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【宙誓】
「……次は“火”だ。恐らく、焔理の星刻印が共鳴してる」
【霄鈴】
「お姉ちゃん、またやったの? ねぇ、今回も街1つ吹っ飛ぶとかじゃないよね」
【宙誓】
「……彼女にとっては、“ちょっと感情が高ぶった”程度だろう」
【霄鈴】
「それ、もはや災害」
――氷原・第七領「トルフィニア」付近
【焔理】
「ふぅ~~~っ、気持ちいぃーーー!!!」
【民間人】
「やばい、また溶けてる!!あいつ、炎の精霊じゃねぇぞ!?!?」
【焔理】
「いやぁ〜怒ってたわけじゃないんだけどさ。ちょっと暑苦しいヤツがいてさ。
つい、ドカンとね?」
【???】
「天篝 焔理。――君に、再召集命令が出ている。“十環”の座へ、戻れ」
【焔理】
「はぁ?いまさら?もう勝手に解任されたもんだと思ってたけど?」
【???】
「新たな“環”が目覚めた。
――お前の火が、次の理を焼き破る力になる」
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火の娘が動き出した時、
眠っていた理(ことわり)たちもまた、静かに目を覚ます。
十の環が揃ったとき、世界は、再び試される。