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仁人side
去年の冬。あいつは一年生だった。
俺も、教師として働き始めて一年目。
学校に勤務して早々、不良が居るクラスに
就かされて俺は困り果てていた。
学校に来ないので会ったことは無いけど、
彼には喧嘩や夜遊びを繰り返して
誰にも手が付けられないという噂が
あったからだ。
それだけでなく、
成績が付けられないことや
プリントがたまるなども…
もちろん生徒たちの噂を聞いただけなので
それが本当かどうかは分からない。
でも、先生たちの反応を見る限り
すべてが嘘、ということも無いだろう。
<職員室>
仁人「僕たちに何かできることは…」
先生「私たちも様子を見てはいるんだけどね…
あそこはちょっと親御さんが…」
話を詳しく聞くと、
佐野は小さいころに父を亡くし
母が一人で面倒見ていたらしい。
しかし、その母も若い男に入り浸り
ほったらかしにされ
悪い奴らとつるむようになったと。
仁人「何をしても、
佐野にとっては偽善なんですかね」
先生「ううん。そんなことないよ。
佐野くんもね、
たぶん助けてほしいんだと思う。
でも、その「助けて」が
言えないんだろうね」
仁人「・・・先生」
先生「ん?」
仁人「一度佐野と会ってみます。
何にもできないかもしれないけど、
きっと彼に話ぐらいは聴けるから」
先生「…うん、そうだね。
私もできることがあればなんでもするよ」
仁人「ありがとうございます。」
放課後
仁人「あれ?ここ、であってるよな」
俺は、あれから先生からもらった地図で
佐野に会いに来ていた。
だが、来てみたはいいものの
全く人が居る気配がしない。
仁人「どこいったんだろ…」
俺は周辺を探してみることにした。
仁人「佐野~!佐野~!」
名前を叫びながらあたりを見回すと
隣のゴミ捨て場から、
がさがさと音が鳴った。
仁人「うわっ‼」
「…佐野か?」
近くに寄ってみるとそこには
沢山怪我をして傷だらけになり
気絶している佐野がいた。
仁人「佐野‼」
勇斗「う、うう…」
何でこんなところに…
と、とりあえず手当か??
でも、もう病院は空いてないし…
仁人「ごめん‼親御さんには
後で説明する‼」
俺は佐野の腕を肩に回し
急いで自分の家に帰った。
仁人の家
仁人「…これで良しと」
佐野を自分のベットに寝かしガーゼや
着替えなどを済ました。
仁人「いったい何があったんだよお前」
勇斗「…」
まあ、今は寝かせておこう。
ゼリーとか軽いもの取りに
行っておこうかな。
勇斗「あんた誰」
立ち上がった瞬間、ベットから声がした。
仁人「あっ起こしたか?」
勇斗「別に」
仁人「今話せる?」
勇斗「まあ」
仁人「じゃあ聞くんだけど、
なんであんなとこで倒れてたの?」
勇斗「喧嘩だよ喧嘩。
10人ぐらいでリンチしようとしてきたから
やり返した」
仁人「勝った?」
勇斗「…ああ」
仁人「そっか。なら良し。
俺は何も見なかったことにしとくよ」
勇斗「あんたさ、学校のセンコー
なんじゃないの?」
仁人「あ、うん。そうだよ
というか君の担任」
勇斗「ふーん。担任なのに生徒が
喧嘩とかしても怒んないんだ。
あのハゲは怒ってきたけど」
仁人「おい…ハゲって
・・・先生のことだろ。」
「…というか言っても
お前は絶対やめないと思うけど?」
勇斗「ふっ…まあな」
「家、電気ついてた?」
仁人「いや…?」
勇斗「そ、なら帰るわ」
仁人「えっ!?
いやそんなボロボロなのに…」
勇斗「帰んねえと心配すんだよ
あのババアが」
仁人「・・・ろくに家に
帰ってこない親が?」
勇斗「…」
仁人「ごめんだけどそれはきっと、
心配じゃなくて」
勇斗「余計なお世話」
佐野は俺を突き飛ばして
無理やり玄関から出ようとする。
仁人「うう…ま、待って」
勇斗「…なにそれ」
仁人「え?」
下を見ると、シャツがはだけて
胸元が出ていた。
俺の胸元には無数のやけど痕が残っている。
仁人「こ、これは」
勇斗「あんたも同じなの?
だから俺の気持ちがわかるって?」
「それってただの偽善じゃん。
気持ち悪い」
仁人「…偽善でも、おせっかいでも
言わなきゃならない時があるんだよ。」
「俺は、佐野の担任だから!」
勇斗「…」
「あんたってさあんま今まで見たことないタイプだわ」
仁人「えっそ、そう?」
勇斗「やっぱり今日さ、あいついないから
鍵無くて入れねえし
…泊めてくんね」
仁人「!」
「うん。もちろん」
勇斗「ありがと」
「ところでさ、名前は?」
仁人「あ、そうだね。
自己紹介がまだだったか」
「1年C組担任の 吉田仁人です。」
「これからよろしくね」
勇斗「吉田、仁人」
仁人「うんそうだよ。」
勇斗「じゃあ仁人で」
仁人「なっ!先生をつけろ!!先生を!!」
勇斗「やだ笑」
仁人「こらー!!」
END
コメント
8件
(大きな声で、せーの、)「あ゛り゛が゛と゛う゛!!!!」
こんなに早く第2話を書いてくださり、ありがとうございます! まさか今日続きが読めると思っていなかったので、本当に嬉しかったです😭 読めて幸せでしたし、改めてこの作品が大好きだなと感じました…! 素敵なお話をありがとうございました💛
第2話、読み終わりました……! 仁人先生、正直すぎるくらい優しくてびっくりしました。「勝った?」って聞くところ、全然説教しないところ、すごくいい意味で担任のイメージを裏切られました。そして胸のやけど痕……あれを見せた瞬間、勇斗くんの目が一瞬で変わった気がしました。「偽善」って突き放したあとに「泊めてくんね」って言った勇斗くん、すごく切なかったです。 最後の「仁人で」からの呼び捨てバトル、ちょっと笑えました。この2人、これからどうなるんだろう……続きがすごく気になります🥀
#吉田仁人
ゆ。
3,795
#ご本人様とは一切関係ありません
ぴよたろう
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